義民伝兵衛と蝉時雨

男の花道の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

男の花道(1941年製作の映画)
4.5
温もり籠る時代劇。目医者と花形役者の、そして江戸の人々の義理と人情。築き上げたお金ではなく、磨き上げた医術と技芸の物々(心の)交換。現代社会にも通ずるようなアンチキャピタリズムの精神。そしてユーモアとドラマの素晴らしさに笑いと涙。心解す古川緑波の温に、息を呑むような長谷川一夫の舞。洗練されたカメラワークが心を唸らす。1941年、戦時中も富士山は変わらず崇高な美しさ。静岡側からの景色だろうか? 色々と心が浄化された。