実在のイギリス陸軍将校が率いたアラブ独立戦争を描く壮大な一大戦争スペクタクル。
本作は1988年に再編集された完全版ですがオリジナル版の1962年からは59年も経った今でも、CGやVFXなんて無い時代に撮影された広大すぎる砂漠の美しさや迫力、おびただしいエキストラとラクダ・馬の数、そして物語は色褪せることの無い名作と謳われるには納得の完成度だった。最近だとドュニ・ヴィルヌーヴ監督のデューンに要素が似ている気がした。本作も大きなスクリーンで観たらものすごく圧倒させられそう。
衝撃的なオープニングから幕を開けT・E・ロレンスの波乱に満ちた半生を探る構成になっており主人公の辛い苦悩と葛藤にラストはなんともやるせない。中東の歴史には疎く知識もなかったので置いていかれた部分はあるけれどいろんな歴史の資料や解説を調べてこの作品がいかに奥深く計算尽くされているものなのかが窺えられた。
