がぶりえる

アラビアのロレンス/完全版のがぶりえるのレビュー・感想・評価

4.9
映画のロマンここにあり 
スペクタクル映画とはまさにこのこと。とにかく物凄い迫力。あまりのスケールの大きさに圧倒される。広大な砂漠を駆け巡る、大量の馬!馬!馬!!人!人!人!そして、アラブ民族間の正気を失う様な血生臭い争い!さらに、時に人間を死に追いやる、砂漠の悪天候!風!竜巻!灼熱の太陽!迫力満点。全身で体感する映像のパワー。その凄まじいパワーに飲み込まれ、魅了される。やっぱり映画は映像の芸術だから、台詞ではなくて映像で語るものが好き。映像の力を信じきっているものが好き。本作が製作されたのは60年前。よく言われるけど、良いものは時代を超えて人々を魅了し続けるんだなぁ。それに、こんな凄い撮影今では考えられない。大変な予算と時間のかかる仕事であることは一目瞭然。加えて、過酷な環境での撮影には俳優の負担も大きいはず。本当にこんな超大作よく完成させたと思う。まだCGもなかった時代に映像作りに情熱を注ぐ作り手の「凄いモン見せてやろう」の熱意に圧倒されて涙が出た。汗水垂らして作ったものは人の心を動かす、本当にそう感じた。狂気と執念で完成させた力作。

「塞翁が馬」という言葉があるが、この映画はまさにそういうことを言っていると思う。人生の幸運や不幸は予測できないもの。良いことがずっと続くことも、悪いことがずっと続くこともない。彷徨い、悩み、葛藤し、道を切り開いて行く。大事なのは、ひたすらに自分を信じ続けること。そして、よく学ぶこと。自分の今やっている事が何処かに繋がっていると信じて生きるしかない。それが必ずしも良い結果を生むとは限らない。時に大きさ犠牲を生んだり、苦しみ苛まれることもあるかもしれない。けど、歩みを止めてしまったらそこまで。だから、行動し続けなければいけない、自分を信じ続けなければいけない、学ぶ姿勢を忘れてはいけない。オーレンスが教えてくれた。

新生活がはじまり、色々大変で、早速萎え気味だった僕は、自分の直感を信じ、ひたすら使命に燃えるオーレンスの粘り強い生き方に心打たれた。
ありがとうオーレンス。
明日も頑張ろう。