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アラビアのロレンス/完全版のhirobeyのレビュー・感想・評価

4.5
「アラビアのロレンス」初鑑賞。アカデミー賞7部門受賞の不朽の名作。

圧倒的な砂漠の景色。灼熱の太陽と風。静かな遠影、駱駝や馬の隊列と砂埃。そして音楽🎵。

第一次世界大戦中に、オスマン帝国からの独立を目指すアラブ人を支援したイギリス陸軍将校トーマス・エドワード・ロレンスの半生を描いた作品。

彼のカリスマ性と共に人間的な弱さが描かれている。いわゆるイギリスの"三枚舌外交"に踊らされた面もある。

主演のロレンスを演じたピーター・オトゥールは、ご本人の写真によく似ている。「ラストエンペラー」で愛新覚羅溥儀の家庭教師役も演じている。
ファイサル王子役のアレック・ギネスと言えば、「戦場にかける橋」のニコルソン大佐と、何と言っても「スターウォーズ」のオビ=ワン・ケノービ役が有名だ。
アラブ人の中でも人格者的なポジションのアリ酋長役をオマル・シャリーフが演じた。このアリ酋長は架空の人物のよう。
この時代の撮影を思うと、どれほどの苦労があったことか。ただただ敬服するばかり。

今日まで続くパレスチナ紛争。"世界で最も解決が難しい紛争"とも呼ばれるこの争いの発端を描いているとも言える。本作で描かれているとおり、帰国した14年後の46歳で事故死するロレンス氏。「アラビアのロレンス」との呼び名は、英雄的でもあり、道化師的でもある。彼にとっては黒歴史だったのだろう。

「フサイン・マクマホン協定」1915
「サイクス・ピコ協定」1916
「バルフォア宣言」1917
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