町を混乱に陥れている凶悪なパンク・グループを駆逐するべく、2人組の敏腕捜査官が立ち上がる。ヒャッハー系無政府集団の跳梁跋扈を描いている、メキシコ産のバイオレンス・コメディ。筆者は海外版VHSで鑑賞している。

トゲトゲ＆ギラギラ＆モヒカンに身を固めた男女グループが、変なカタチの改造車を爆走させながら、シャレにならないレベルの迷惑行為を展開。ギャンギャン唸りまくるギターサウンドをバックに、窃盗、強姦、恐喝行為が繰り広げられる。

何よりも、本物のパンクを知らなさそうな製作者が、ボンヤリとしたイメージだけで作っているような感覚が面白い。パンク集団を追跡する敏腕捜査官に、まったくカリスマ性が備わっていないところも面白い。

"ゲラゲラ笑いながら、非道なことをする人間"の生態がフィジカルに描かれているため、暴力という名の快楽を貪っている男女たちを、引いた目線で傍観することができる。「映画の中で狂人を観ることの面白さ」が、全面的に機能している作品。