このレビューはネタバレを含みます
テコンドー部のコーチがクソ野郎なんだけど、どうやったらぶちのめせるか皆で考えようという映画。
この邦題、観る前は「直訳なんだろうけど、長いしもうちょっと何とかならんかったのか…」と。そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。体罰やイジメ、性暴力や教師同士の癒着といった学校内に蔓延る問題から、同性愛や犯罪歴に対する、韓国の保守的な思想による差別などとてつもなく射程の広いテーマを持ちつつ、破綻のないバランスの物語がまずうまいと思った。ジュヨンとイェジがお互いに惹かれ合っていくミヌとソンヒとの旅行の道中はとにかく綺麗な映像と瑞々しい演技を堪能できて、観てるだけで朗らかな気持ち。もうこの前半で終わってくれと切に願ったんですが。
後半からのパートは地獄巡りのような展開でとにかく辛い。子供に理解を示していると思っていたお母さんは保守的なクリスチャンが故2人を引き離そうとするし、コーチは近年稀に見るカスだし、ソンヒは自殺未遂するし、ミヌは出てこなくなるし…とにかく、あのクソコーチは出来るだけ苦しんで死んで欲しい。正直、未成年を働かせるバーの店主は取り締まられてほしいし、いくら無能な警察でコーチが意識不明の重体だとしてもジュヨンもイェジもアザがあって傷つけられてるんだから正当防衛として捜査するだろ(ニュースで未成年に淫行した事とかバレてるようだし余計に)とか思うんだけど、個人的にはテコンドー部員らが連帯を示す一連の流れにとにかくグッと来た。ラスト、おばさんがジュヨンにかける「犠牲になれるのは同情じゃないから」みたいな台詞もその通り!って感じで溜飲が下がりましたよ。
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