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遊星よりの物体Xのtakaoriのレビュー・感想・評価

遊星よりの物体X(1951年製作の映画)
3.3
2023年327本目

先ほどの『ボディ・スナッチャー』と同じく50年代テイストを感じるSFホラー作品。ガイガーカウンターが怪物の出現を告げる演出や、ラストの「空を見ろ」というセリフには、核の時代の幕開けに対する恐怖がよく現れている。後のSF怪物ものに多大な影響を与えたことがよく分かるが、理屈っぽい科学者が慢心ゆえに身を滅ぼし、マッチョな軍人のチームワークが怪物を倒してめでたしめでたし、というところはいかにも50年代的な素朴さにあふれている。比べてみると、82年のジョン・カーペンター版リメイクはVFXのクオリティといい、緊張感が持続したままの余韻あるエンディングといい、映画としてのレベルが段違いに高い。とは言え、本作で一番のスペクタクルである、炎上した怪物が雪の中へと倒れ込むシーンは、リメイクでもしっかり再現されていた。
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