荒野の狼

サンセット大通りの荒野の狼のレビュー・感想・評価

サンセット大通り(1950年製作の映画)
1.5
確かに、『マルホランド・ドライブ』だなあと言う感じはしたが、それだとかえってリンチが急に安っぽく思えてしまうほど、紋切り型の娯楽映画であった。ハリウッドの内幕を暴いたと言う事で物議を醸したらしいが、元々そういう国だもの。隠そうとしてるヤツと、暴こうとしてるヤツがグルなんだから。
とにかくサクセスとかビッグとかヒーローが大好きで、格好をつけることに関しては世界一ですよ。これが自慢の○○ですみたいなプレゼンテーションで押し通す。見せびらかしたい、羨ましがらせたい、もう確信犯だな。「目に見えないものを見せてやろう」なんて気はさらさら無い。見えるものが全て、ハリウッドはこの頃からその象徴。映画の中で『映画は少しずつ変化してるんだ』っていうセリフがあるが、70年経っても変わっちゃいないよ、この気質。
ワイルダーといえば、もちろん娯楽映画の巨匠には違いないけれど、私には、ちょっと大き目な三谷幸喜ってくらいの感じしかない。まあ、あちらは俳優が良いからそう見えるだけなのかもしれない。
荒野の狼

荒野の狼