このレビューはネタバレを含みます
最愛の妻サラをテロによって失ったCIA分析官のチャーリー。
彼はIQ170のずば抜けた頭脳で解析を繰り返し、自ら犯人の身元を特定する。
が、幹部のムーアは何故か犯人の逮捕に踏み出さない。
やがてチャーリーはムーアが独断で、中東へのドローン攻撃を自爆テロと見せかけるなど、報告書を改竄しながら数々の殺人を行っていた事実を知る。
実はサラを殺したテロリストもCIAと繋がりがあったことが分かる。
チャーリーは事実をすべて明らかにするファイルを盾に、ムーアにある交渉をする。
自らの手でテロリストを葬るために、暗殺の訓練を受けさせろと。
行動は大胆だが、人を殺す度胸はないチャーリー。
だが、読心術にも長けており、常に相手の裏をかくほどに頭が良い。
初めはこちらにも動揺が伝わってくるほど、挙動不審なチャーリーの姿が滑稽だ。
行き当たりばったりの行動にも見えるが、機転が利くためにギリギリでピンチを逃れる。
即興での爆弾作りがとてつもなく上手いという彼の能力も面白い。
協力者を得ながらじわりじわりと標的に迫っていくチャーリーだが、彼は同時にCIAに追われる身でもあった。
予測のつかない展開にハラハラさせられる部分はあったが、妻の復讐のために自ら手を下すことになるまでのチャーリーの心理描写が弱いため、あまり感情移入が出来なかった。
もっとも、テロリストがムーアとも繋がっているため、チャーリーには自分で解決するしか選択肢がないわけだが。
予告編を観てあまりにも期待値のハードルが高くなりすぎたせいもあるかもしれない。
想像を超えるほどの面白さはなかった。
ただジョン・ウィックやジェイソン・ボーンのような肉体派ではないアクション映画も、それはこれで楽しめる部分があった。
