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男はつらいよ 寅次郎頑張れ!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.8
ここまで来たか。
『男はつらいよ』シリーズ、第20作目。アニバーサリー。

そして、前回から1ヶ月半ぐらいか、久しぶり、寅さん。相変わらず竜巻みたいな男。

最初の寸劇、今回はメルヘンでブルジョアに攻めてきた。『ダウントンアビー』みたいな。
タコ社長の会社もあんなになっちゃって。
みんな、着飾って。似つかわしくないけど、いつもの団子屋の日常とは違う洋風な佇まいが何かたまにはこういうのも良いね。

中村雅俊、かっけぇ。これぞ、昭和のイケメン。
対する彼の恋の相手、大竹しのぶ、なにそのハニカミ、めちゃくちゃ可愛い。素敵だわ。
今や大御所の2人の初々しいウブな恋路、からの大騒動。

まさかの20作目にして、団子屋、炎上。
その字の如く、物理的にも炎上。さすが、アニバーサリー。思い切りが思い切り過ぎ、張り切り過ぎ。

ある意味、これを区切りにリフォーム企んだのか、っていうぐらいの衝撃シーン。
中村雅俊がマッチを擦るシーンはハラハラしたが、まさかマジでやるとは、あぁビックリした。

寅さんもいつにも増してマシンガン、いつにも増してお節介、いつにも増して破天荒、いつにも増して、、、妄想癖の1人芝居。

そして、テンションが燃え盛る寅さんが2人の恋路の世話を焼いて、団子屋が燃える。

それでもケロッとして気にかけることをやめず、どこ吹く風。失恋を心配して実家に引っ込んでしまった若者のところに行けば、彼の姉に惚れる。

すげぇな、風天の極み。

やっぱり20作目、何となくここまでの総決算というのか、オールスターというのか。
出し惜しみなしの、遠慮なしの、フルスロットルでぶちかます。

ガンガン攻めて、ガンガン打ちのめされる。本当に、これからも寅次郎、頑張れ。

どれだけ竜巻の如く吹き荒れた寅さんが現れようと、いつも寄り添うさくらちゃん。
何かもうすっかり寅さんではなくさくらちゃんを観るために観ているシリーズ、まだまだ先がある幸せ。

毎回ハッピーエンドなのか、何なのか。
浮けば沈み、沈めば浮く。
えらい兄貴になりたくて、今日も涙の日が落ちる、日が落ちる。


F:2017
M:1514
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