これは怖かった。
なぜって実話の再現ドラマだからです。
ニューヨークのクラブでウッドベース弾きを演じる、ヘンリー・フォンダが強盗の冤罪で警察に捕まり留置場に入れられる話です。
あまりにディテールがリアルなので、自分もヘンリー・フォンダになって絶望をひたひたと味わいました。
ヒッチコックは4歳か5歳のときに、父親の命令で警察署長に手紙を渡しました。
署長はその手紙を読んで、ヒッチコックを5分か10分留置場に入れたそうです。
それ以来警察ぎらいになったヒッチコックがこの作品で演出した警察関係者が全員本当にいやな感じでした。
当時1957年はアメリカ映画産業が斜陽で、ワーナー・ブラザーズも傾いていました。
定本によると、ヒッチコックは、この会社でずいぶん仕事をさせてもらったのでノーギャラでこの映画を引き受けたとのことです。偉いなあ。