The Cloud Door(原題)を配信している動画配信サービス

『The Cloud Door(原題)』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

The Cloud Door(原題)
動画配信は2025年6月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

The Cloud Door(原題)が配信されているサービス一覧

『The Cloud Door(原題)』が配信されているサービスは見つかりませんでした。

The Cloud Door(原題)が配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『The Cloud Door(原題)』に投稿された感想・評価

[オウムが繋ぐ一つの悲恋] 80点

1995年1月、ムンバイで開催されたインド国際映画祭の会場は騒然としていた。マニ・カウル初の官能作品が出品されたからだ。インドには文学や絵画など多くの官能芸術の歴史があるものの、やはり裸体が上映されるとなって警察が出動するほどの騒ぎになったようだ。上映も一度しか許可されなかった。そもそもの企画はドイツ人プロデューサーのレジーナ・ツィーグラーが持ち込んだ"Erotic Tales"なる短編集の企画であり、スーザン・シーデルマン『マリッジブルーの愉しみ (The Dutch Master)』やケン・ラッセル『カーシュ夫人の欲望 (The Insatiable Mrs. Kirsch)』などと共に長編映画になっていたらしい。実は、日本でも"アート・オブ・エロス 監督たちの晩餐"という括りでDVD箱が出され、先出のシーデルマンやラッセルの作品はソフト化されているのだが、カウルの作品だけは完全にスルーされていた。

カウルは本作品を製作するにあたって、5世紀~7世紀にサンスクリット語で書かれた劇『Avimaraka』、13世紀に書かれた恋愛詩『Padmavat』、そしてインドの官能物語『Suksapiti』を参考にしたという。物語のトリックスターとなるのは一羽のオウムである。ある宮殿で飼われていた人語を理解するこのオウムは美しいクランギ姫にエロティックな詩を朗読する。やがて、逃げ出したオウムは鳥売りに囚えられ、クランギ姫を愛する平民の男ラタセンに取引を持ちかける。彼はそれに乗っかって宮殿内へと向かい、クランギ姫と秘密裏に会うことに成功する。映画はマジックリアリズム的な側面が強く、舞台となる時代から大きく外れた列車が登場したり、侍女が天女のように花びらを撒いたり、焼かれた魚が笑いだしたりする。また、ラタセンを導くオウムが階段の手摺をピョコピョコと歩きながら"早く来い!"と口汚く罵るのは、見た目とのギャップがなんとも可愛らしい。密会する男女の間を"通るよ~"と言いながら横切るのも可愛らしい。

本作品の象徴的なシーンはクランギ姫が他の女性たちとプールに入るシーンだろう。身に纏った薄い布は水の中で怪しく揺らめき、美しき肢体を取り囲む、天女の羽衣のように様変わりする。当時の観客はこれが政府の検閲を通ったとは思えなかったようで、2年経ってもプロデューサーは説明に明け暮れたという逸話まであるようだ。

"私は不可視であり、永遠の夜に囚われている"という言葉の如く、不意に画面から消えていく人物たちの中に過ぎ去った時間が封じ込められ、互いのことを妄想しながら散った恋に思いを馳せ続ける。実にマニ・カウルっぽい締めくくりに聴こえるが、まだ続きがあるのも不思議。