2012年 ボスニアヘルツェゴビナ🇧🇦 クロアチア🇭🇷 スロベニア🇸🇮
メインはボスニアヘルツェゴビナ紛争が終息してから5年後、セルビア人に連れ去られ処刑されたと思われる息子の遺骨を見つけようとするムスリムの女性のお話です
簡単にはDNA検査ができない、それには複雑な理由があるから
映画は23年さかのぼって1977年から始まります
まだユーゴスラビア社会主義連邦共和だったころです
互いの家族の信仰が違うからと駆け落ちた若いカップル
そこにハリーマはどうかかわっていくのでしょうか
因みに旧ユーゴは宗教によって民族が分かれています
セルビア人(東方正教会信者)
ボシュニャク人(イスラム教)
クロアチア人(カトリック教)
ソ連崩壊で社旗主義が機能しなくなって民族主義のリーダーたちが旧ユーゴから独立しようとて起きたのがボスニアヘルツェゴビナ紛争(かなりザックリだけど)
数年前にこの紛争のドキュメンタリーを見たことがありますが、多くの戦争犯罪が行われたにもかかわらず実際裁判に持ち込まれ刑を受けた人の数は極々僅か
C・チャップリンの「独裁者」のスピーチを思い出します
戦争による理不尽な悲劇
いつも戦争の被害者は何の罪もない人たちなのだと痛感します
非常に重苦しく考えさせられるお話なのですが、主人公ハリーマの義理の弟がいい味出してくれました
前半はめちゃめちゃイやなヤツなんですけど、後半は何にも言わずハリーマの手助けをしてくれて…こんなところに時代が象徴するものの変化をあらわしているのかなーなんて思いました