スワヒリ亭こゆう

ヘブンズ・ドアのスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

ヘブンズ・ドア(2009年製作の映画)
1.5
長瀬智也主演の『ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア』というドイツ映画のリメイク版です。
僕はオリジナルのドイツ映画が大好きで、最高に面白くて切ない映画なんですね。
そのリメイク…大丈夫かなぁと心配してしまいます。


僕は原作が漫画や小説などの場合は比べるのがバカバカしいので映画単体で評価したいと思ってますが、映画のリメイクの場合はやっぱり比べざるを得ないでしょうね。
漫画や小説は映画とは競技が違うので、160キロで投げるピッチャーと100mを9秒台で走るスプリンターどっちが速いか比べてるようなものですよ。
でも、同じ映画同士なので同じ競技としてどっちが早いか?比べますよね。


で、本作に関してはストーリーが余命わずかの二人が病院で出会うんです。
で、A「天国では海の話をするのが流行ってるんだぜ。」B「一度も海を見たことないなぁ」A「じゃあ病院抜け出して今から見に行こう!」
そして病院で車を盗んで、海まで走り出す。
だけど、その車はヤバいやつの車だった…
といった内容からスタートするロードムービーなんですね。

そこはオリジナル、リメイク共に同じでした。
違うのはオリジナルはオッサン同士、リメイクは兄ちゃんと少女なんです。
コレは大きな変換点ですよね。
オッサンの友情が切なくて良かったのに、リメイクはそれは無いですからね。
もっと言えば対等な関係性も難しいですよね。
どうしたって子供を大人が庇うわけです。
そこに対等な関係は出来にくいです。
そもそも友情にはならないですね。
いっその事、大人と子供の恋愛にすればと思いますが、ロリコンは犯罪になってしまう恐れがありますもんね🤔
この主人公二人の設定はやはりオリジナルには遠く及びません。


また海を見にいく話なんですが日本は海無し県の方が圧倒的に少ないです。
国土面積も狭い島国です。
海を見に行くのに何日もかけてというのが最初から無理がある。
だから、海を見に行くロードムービーは日本では無理なんですよね。
そんな事は分かった上で本作を作ってるんでしょうけど、だったらロードムービーになるだけの理由が必要です。
そこを無視して強引に作った感が否めません。


残念ながらリメイクは失敗です。
福田麻由子は『白夜行』の時は可愛らしい女の子だったのに💦