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「女の小箱」より 夫が見たのmareのレビュー・感想・評価

4.0
これを見ると結婚とは世間体を取り繕っただけの都合の良い保身であり呪縛なのではと疑惑の目で見てしまう。おざなりにされた結婚生活、夫は出世を第一に考え、妻は不器用で潔白な愛を求める。悲しい交錯にトラブルの匂い、夫の会社の危機、忘れてたはずの愛の感覚、女を私物化するエゴ、これだけの愛憎サスペンスがこの90分に詰め込まれている。いや増村保造の映画のスピード感ったら半端ない、早すぎでしょ。サラリーマンと主婦の関係性ならいつどこでどういうきっかけで起きてもおかしくなさそうな身近な恐怖。夫婦とは言いつつも互いの行動を全て把握していない生活のすれ違いは世の中の皮肉そのものであると感じる。エロと死の香りは表裏一体。
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