mareさんの映画レビュー・感想・評価

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エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

3.5

古典にして王道を貫いたエイリアンだが、新鮮な要素を上手いバランスで散りばめた面白さがあった。仲間思いから仲間を切り捨てるアンドロイドとのバディものであったり、硫酸を掻い潜る無重力アクションの見せ方であ>>続きを読む

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.0

男らしさの象徴としてボクシングから始まり、ジェンダーの偏見を跳ね除けてバレエに魅了されていく王道青春映画のようでいて、パンキッシュな映画でもあると思う。家族間の衝突を繰り返した先にある、雪解けの和解は>>続きを読む

ほら男爵の冒険(1961年製作の映画)

4.0

個人的には「悪魔の発明」よりも、こちらの方が目一杯カラフルで、独創的な冒険に彩られた本作はかなりハマった。月世界から海へ、創造性だけで突き抜けた一つの人生の横断に、溢れんばかりのユーモアとギャグ、恋愛>>続きを読む

悪魔の発明(1957年製作の映画)

3.0

チェコアニメの古典だけあって絵本の中を旅しているかのような強烈な個性がある。登場人物はすべて実在の俳優だが、背景だけがファンタジックに切り替わるようなアニメーションによって、CGに頼らない壮大な世界を>>続きを読む

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.5

トイ・ストーリー三部作としてこれ以上なく素晴らしいフィナーレを飾る。今作はおもちゃにとっての死に直面させられるリアリティがあり、また子どもが大人になってしまったときにどのような境遇を迎えるのかについて>>続きを読む

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

3.5

大まかには前作とストーリーの構造は変わらず、おもちゃたちの冒険が繰り広げられるが、スケールがさらに膨れ上がる。とうとうビジネスが巨大な敵として立ちはだかるリアリティを持ち込み、レアグッズを自認したウッ>>続きを読む

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

4.0

これはいつ見ても大人も子どももワクワクする世界観で初のフルCGアニメとして画期的で色褪せない。ミニチュア視点の冒険は非常にスリリングでちょっとの行動が一触即発に繋がる面白さが心を鷲掴みにする。悪ガキの>>続きを読む

BAGHEAD/バッグヘッド(2008年製作の映画)

3.5

ハーモニー・コリンらしさ全開のジャケットで惹かれたこの映画は、自主映画制作に集まった4人の若者を生々しく捉えたモキュメンタリーのようでもあり、いるはずのないバッグヘッドが襲いかかってくるスリラー映画で>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.5

巨万の富を得て底知れない欲望に溺れるディカプリオのタガの外れまくった演技だけで優勝する。ここまでぶっ飛んでると嘘か誠か分からなくとも、誇張表現で窒息させるくらいにスコセッシ演出の切れ味や爆発力に圧倒さ>>続きを読む

グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.0

イーストウッドの果敢なアクションと精神性、皮肉入り混じる軽妙な台詞回し、一人じゃ何もできなかった少年を奮い立たせる成長譚に心打たれる。血の繋がった家族よりも、ただのお隣さんだった人種の違う家族に対して>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.0

これほどラストシーンに恋してしまう映画も今となってはなかなかない。チャップリンのハートフルでユーモラスな振る舞いによって、意図せずして誰かを救い、ついには心の底から誰かを救いたいという一心が物語を回し>>続きを読む

フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

3.5

ロドリゲスとタランティーノが組んでいるというだけで期待値が高まるし、スタイリッシュなガンアクションとB級フェティッシュが縦横無尽に暴れまくる最高の活劇。強盗兄弟の逃亡を描くロードムービーかと思いきや、>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

3.0

マスコット感のあるファミリー映画だと思って油断していると、意外にも本格的なグロさが炸裂し、子どもが観たらトラウマになるかもしれない。モグワイを飼育するにあたって3つのルールがあり、意図せずしてそのタブ>>続きを読む

燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

3.5

幼少期に観た鏡の間のシーンがやたら強烈で久々に見返したけど、ブルース・リーが無双するカンフーアクションというだけで面白い。ただのアクション映画に終わらず、スパイ映画のような緊張感、鏡の間におけるミステ>>続きを読む

アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.5

この映画の犯人自体は割とすぐのタイミングで、こういうことなんだろうなと気付いたつもりではいたけど、そんな陳腐な想像を軽々と超えてくるくらいの、細部にわたる大胆な仕掛けに驚かされた。わずか90分で二転三>>続きを読む

フェラーリ(2023年製作の映画)

3.5

ストレスフルの圧迫された状況下で、目的遂行のために容赦のない選択をしていくフェラーリの人格にアダム・ドライバーの演技が素晴らしいくらいにはまる。今となっては彼は監督に愛される名優の一人となっていて、そ>>続きを読む

オルエットの方へ(1970年製作の映画)

4.5

ひと通り夏のイベントを終え、夏が終わりゆく寂しさを噛み締めていた今、この映画を観れたことは運命的としか言いようがない。ここには自分が知り得る限りの夏がすべて詰まっていた。こんな自由奔放なバケーションが>>続きを読む

ブロブ/宇宙からの不明物体(1988年製作の映画)

3.5

人喰いアメーバが街を恐怖に陥れるシンプルなパニック映画で、一目見てキモいと言ってしまうくらいのグロさ、静かな恐怖を積み重ねていく前半と大掛かりな爆発シーンが炸裂する後半のギャップがたまらない。脚本がフ>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.0

アメリカンニューシネマの代表作ということで、当然ながら破滅の美学は通底しているが、「イージー★ライダー」のような唖然としてしまうほどの陰鬱さはない。ただやはり反体制を代弁するかのようなスタイリッシュな>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

4.0

シドニー・ルメットのこれまでの社会派映画の側面は鳴りをひそめ、リヴァー・フェニックスの宿命や脆さを背負った美しさが光る彼の代名詞的な名作。名を変え、土地を変え、指名手配中の両親から当たり前のように教え>>続きを読む

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.5

気付かなければユートピア、気付いてしまったらディストピアというコメディタッチに描きながらも実は何よりも怖いSF。監視社会を偏った世界観で見せていて、生まれてから自覚もしていないうちに世間ではスター扱い>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

4.0

これをデ・パルマの異色作として捉えると、かつてのB級作風からは脱却し、実にクレバーなスパイ映画に仕上がっていることは彼の多彩さを物語っている。ただやはり最後の最後の過剰なアクションは、作家性溢れる元来>>続きを読む

ダイ・ハード(1988年製作の映画)

4.0

妻の働いているビルにテロリスト集団が襲撃し、たまたま招待された夫が、たった一人で命懸けで悪事を阻止していく最高のお節介映画。声しかわからない状況下で生まれる信頼関係、敵味方関係なく筒抜けで傍受される会>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

4.0

言うまでもなく至高のヒューマンドラマ。純粋無垢で欲に囚われることのないフォレストの生き様は、誰にとっても決して簡単なことではない、ファンタジックなまでに愛の理想的な在り方を見せてくれている。おそらくは>>続きを読む

ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

2.5

かなりウトウトしながら観てしまったけど、ここまで遺作らしい遺作もないなと思わせるほど達観している。徹底して室内劇、ほとんどが舞踏会での会話シーン、それも脈絡がなく人物が思い思いに言葉を発するような自然>>続きを読む

宇宙戦争(2005年製作の映画)

3.5

結構怖いことをやってるスピルバーグ。トライポッドがいきなり現れ、街を破壊し始めるシーンはSF大作を久々に観たワクワク感があったが、子どもが川に流れる無数の死体を目撃するシーンを観ると、結構残酷な直視を>>続きを読む

暴力団/ビッグ・コンボ(1955年製作の映画)

4.0

不屈の刑事とギャングのボスの攻防から成るフィルムノワールの様式美はさることながら、ひたすらにスタイリッシュな画作りを維持しつつ、明暗を完璧にコントロールしており、視覚的な興奮に満ち溢れている。一人の男>>続きを読む

歩道の終わる所(1950年製作の映画)

4.0

画期的なオープニングの出現から、この映画が一線を画した風格を纏っていることが確信できる。犯人を追い詰める構図ではなく、刑事のある行動によってこちらが追い詰められていくという、変わった視点のフィルムノワ>>続きを読む

悪徳(1955年製作の映画)

3.0

ハリウッドを皮肉ったアルドリッチの会話劇であるが、アクションがない分地味目ではある。芸能の闇は国境を越えて、時代的なものもあるだろうが、主従関係や脅迫によって無理やり成り立ってしまっている事実に肉薄す>>続きを読む

婚約者たち(1963年製作の映画)

4.0

オルミの作り出す空間の気持ち良さが突き抜けていた。ほとんどシーンがオフビートな余暇を満喫するかのような、いわば流浪の映画。タイトルが引っかかるなと思いながら鑑賞をしていくと、最初と最後が決定的に重要な>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.5

目的地も告げずに散歩をするという得体の知れなさ、理解しあえてた相手の中身がすり替わるシュールさ、これもまたなんてことないロケーションから地球侵略のSFへと昇華させた荒唐無稽への大胆なチャレンジが行われ>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

4.0

不穏すぎるお隣さんと6年前の未解決事件がクロスオーバーする捉え所のないサスペンスとして見応えがあるし、終盤に行くにつれて何もかもをぶっ壊していて最高。気持ち悪さを常に孕みながらも、変態すぎる展開で、ジ>>続きを読む

定職/就職(1961年製作の映画)

4.0

日々一喜一憂しながら働いている身からすれば、オフィスのドライな空気感の切り取り方や些細な救いがリアルそのものでただただ同情しかない。ここ最近の自分の職場環境とリンクするものもあって、無理矢理有休にして>>続きを読む

熱波(2012年製作の映画)

3.5

最初は茫洋としていて掴みどころのない一部から、実に洒脱な境目を敷いてから展開される二部へ。二部になればほとんどが回想のシーンであり、追憶をなぞっていく構成へと変化していく。モノクロの気品を携えながら、>>続きを読む

鉄腕ジム(1942年製作の映画)

4.0

銀行員からプロのボクサーへと上り詰めるサクセスストーリーで、やはりスポーツ映画にしたってウォルシュのことだから当たり前のように面白い。ヒロイックな設定だからこれが実話モノということに一番驚いた。特に船>>続きを読む

蛇の道(2024年製作の映画)

3.5

ロケーションがスタイリッシュになった分、新たな不穏要素を肉付けし、ボリュームが増した印象だが、ストーリーから細かいセリフから救いのない演出に至るまで、意外にもほとんど変わらない。オリジナル版が面白いか>>続きを読む