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Love Letterのmのネタバレレビュー・内容・結末

Love Letter(1995年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

柔らかな雪の中から立ち上がった中山美穂が、坂道をゆっくりと降り始める。カメラが優雅にパンし、静かに映し出されるのは、雪に覆われた街の風景だ。その純白の美しさに心を奪われてしまう、完璧なオープニング(REMEDIOSのサントラも含めて)。

永遠のようにも感じられる小樽の雪景色と、愛してると言ってほしいトヨエツが働くガラス工房の炉や、部屋のストーブの温もりとが、見事にコンストラストをなしている。答案用紙をチャリのライトで照らすのも、いい。

神戸と小樽に住む2人の女性による文通のやりとりは、奇妙な誤配によって引き起こされる。紅茶に浸したマドレーヌがそうであったように、本作では手紙が過去の思い出を散発的に甦らせる。
同一の名前、同一の顔を持った人物たち。表層の持つ強さ、しかし、実際には乖離が存在する。象徴的なのはすれ違いのシーンだ。ラブホテルからラブレター(どちらも篠田昇撮影!)、ついには君の名はへ。

東アジア文化圏の共通言語をようやく履修しました。
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