Sung

Love LetterのSungのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
3.9
何も果たされた想いなんてないのに木霊のシーンも最後の図書カードのシーンもどうしてこんなに晴れた気持ちになれるのだろう。
ただの逝ってしまった彼と残された恋人の話ではなくて彼の中学時代の反芻によって彼自身の心まで見えてくる。
きっと天邪鬼で一途で少し後ろめたいはずの彼の心を二人は一度も言葉にしなかったけれど掛け値なしに愛していたんだと胸に沁み渡った。
果たされなかった彼の想いも博子も樹も全てが少しずつ調和していく。
女同士の文通だけどその心の先は本当に天国にあったのかもしれない。
テーマの美しさ。だんだんとラブレターという言葉に昇華していく。弧を描いて昇る気持ちが作品を包み込みいつまでも忘れずにいたい純真な想いを呼び起こしてくれる。
Sung

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