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Love Letterのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

Love Letter(1995年製作の映画)
3.5
岩井俊二の脚本、監督による劇場長編デビュー作。
中山美穂、豊川悦司主演で、雪の小樽と神戸を舞台に、天国の恋人に向けて送った一通のラヴレターがきっかけで、埋もれていた恋が浮き彫りになっていくラヴ・ストーリー。(1995)

神戸に住む渡辺博子(中山美穂)は、2年前山で亡くなった婚約者の藤井樹(いつき)を忘れられず、彼が昔住んでいた小樽の住所に手紙を出す。すると数日後、来るはずのない返事が届く。
それは、亡くなった婚約者と同姓同名で同級生の女性(中山美穂:一人二役)からだったのだが、博子はそれを分からないまま奇妙な文通を続ける。
亡くなった樹の山仲間で博子に想いを寄せる秋葉茂(豊川悦司)は、樹への思いをふっきらせるため、彼女を小樽へと誘う…。

「拝啓、藤井樹様。お元気ですか? 私は元気です」

中山美穂が一人二役を好演。
豊川悦司が包容力ある秋葉茂をややコミカルかつ魅力的に演じている。
少年時代の藤井樹を演じる柏原崇と少女時代の藤井樹を演じた本作デビューの酒井美紀もよい。
終盤、小樽の樹の祖父(篠原勝之)が猛吹雪の中、大活躍。
ラスト、一冊の本、プルーストの「失われた時を求めて」(第7編:見い出された時)の図書カードがうまく使われ、この物語を美しく締めます。
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