mai

幸せへのキセキのmaiのレビュー・感想・評価

幸せへのキセキ(2011年製作の映画)
3.8
極悪人のいないハートフルな良い映画でした。

妻を亡くしても気丈に振る舞う父に、可愛らしくついていく娘と反抗してしまう息子の家族再生のストーリーです。

何はともあれ、キャラクターひとりひとりが凄く魅力的で、温かいんです…そして、何と言ってもマット・デイモン演じる父ベンジャミンが一生懸命で素敵。
動物園のスタッフもみんな人間らしくって、最初はベンジャミンを「すぐ根を上げるだろう」としながらも、最後は彼を信じるんです。決して見放さないところが好きでした。
そして、娘の可愛さ…!
あの子がいないと映画もここまで明るい作品にはならなかっただろうと思います。一番幼いながらも、いつも父や息子にきっかけを与えていたのは彼女で、彼女がいなければ父と息子が歩み寄ることすらできなかったでしょう。母親が亡くなったことは理解しつつも、健気にあれこれとやってる姿が印象的でした。そして、笑った顔が最強に可愛い。
さらに、息子と父の「会話したくてもイライラしてしまう」というジレンマが上手く描かれていて、父の言い分も息子の言い分も分かるからこそ…もどかしくもなりましたが、元々は似た者同士なわけで、仲直りしてからの関係性はすごく魅力的でした。
「20秒の勇気」と父が息子に語るシーンは、この映画の一番の見せ場な気がします。
最後に、父と飼育員の女性の関係…彼女はずっと信じてくれるわけで、そんな人が近くにいてくれてよかったねと思いました。それも、父の人柄の良さの賜物なわけですが。でも、父が亡き妻を動物たちに重ねて、殺した方が楽なのに殺せない…という悩みを抱えていることを見抜いてくれるのだから、彼女も相当彼のことを理解してくれてるのだなぁと心が温まりました。

動物たちも仕草がいちいち可愛いんです!中に人間入ってるの…?ってくらいです。笑

最終的に、極悪人も不在で、絆の再生を中心に描いていくので安心してみれますし、何より出てくるキャラクターが人間・動物含めて魅力的。さらに加えれば、エル・ファニングやスカヨハなどなど、マット・デイモン以外も何気にキャストが豪華なんです。

ラスト20分ほどの、息子とリリー、父と息子、父の新しい恋、動物園の再生、加えて亡き妻の思い出を子供たちに語るシーン…どれもこれも心温まる泣けてしまうシーンでした。

家族愛を描いた傑作です!
mai

mai