昼飯もいいが月へ行かないか?
この一言で始まる月面征服計画。
ガガーリンが宇宙に行く11年も前であり、実際に月面着陸する19年前のこの話を、当時の人たちは一体どのような気持ちで見ていたのでしょう?
この映画は本物でした。
67年前の作品なのに~!という下駄は履いてます。間違いなく。
でもわくわくするし、今になって見るからこそ、時代背景を考えた時にぐっとくるものがあります。
そもそも観客がロケットを月まで飛ばす原理が分からない時代なので、映画の中でもロケット出資者への説明がてら、ウッドペッカーのアニメでロケットの原理を流す。これにて、当時の観客もどうやら月へ行くということはこういうことらしい、と知る。
そして、地球を征するための、ミサイル基地としての月征服計画。おぉ、この布石はやばい。後の米ソ対決の萌芽を感じさせます。
発射までの諸々は、いろいろ倫理的にどうかという点はたくさんありますが、それはいいでしょう。
打ち上げ二分前から無重力になるまでしっかり見せるのgood
宇宙服の色をキャラごとに変えてくれるの観客フレンドリーでgood
でも橙と薄黄色はいいとして、セルリアンブルーとターコイズブルーをチョイスするあたり、しかもその2人を一緒に行動させるあたり、愛らしいセンス。
宇宙遊泳も、月面描写も、手書きの満点の星空も、今みるとチープだけど、可愛く愛おしい。
今のテクノロジーをして作られた作品を見すぎている私たちにとっては、もう出し尽くされたアイデアかもしれない。
下駄だいぶはかせたけれど、満点つけちゃいます。そのくらい愛しい映画。
そして、エンドクレジットの言葉でもう、泣けます。
この映画が後に与えた影響を、そして、その後リアルに巻き起こる宇宙開発競争を思って。