持て余す

ジュマンジの持て余すのレビュー・感想・評価

ジュマンジ(1995年製作の映画)
3.6
新しい『ジュマンジ』を見たくて旧作を振り返ってみました。

何回もテレビで放映されていたし、一度ぐらい見ていてもおかしくないのに、これまで(少なくとも最後までは)見てなかったみたい。なんでだろう。とは言え、超の付く有名作だから大体の筋立ては知っていたし、なんというか確認作業のように鑑賞。

とても、いろんな要素が整備された状態で詰め込まれている印象。謎のボードゲームを始めてしまった結果、その世界に閉じ込められて26年もの月日が過ぎてしまう浦島太郎状態の少年。ゲームの世界が現実に侵食する仮想現実的な要素。ボーイミーツガールもあるし、アドベンチャー要素もある。ゲームを終えることで過去を塗り替えるループものなんかに近いところもある。

ひとつひとつの要素は公開当時ですら新しくなかったろうけど、とてもバランスが良くてとても安心して見ていられる。流石にCGは最近の映画と比べると見劣りするけど、当時は最先端だったろうから、これもプラス要素だったのだろうなあと思う。よい映画なので子供に薦めるのにはちょうどいい。

ところで、このボードゲームはどうしてこんな意地の悪い仕様なのだろう。作中では(あったかもしれないけど)そうした当然の疑問には触れられていなかったけど、ホラー映画ばりの理不尽な設定だと思う。誰がどうしていつどうやってあんなものを作ったのかが解らないし、抵抗する術もない。映画としては面白くとも『ジュマンジ』はクソゲーだよ。

だから、大昔に遺棄されたものが工事現場で拾われて新たな犠牲者を出すし、川へ流したらどこかの浜へ漂着して引き続き犠牲者を出すことが示唆される。恐らくあのボードゲームは(少なくとも子供の力などでは)壊れないのだろうし、であればなにか呪いのようなものを絶つ必要がある──のだろうけど、その存在すら語られない。

好みの問題でもあるのだろうけど、そういうところがあるともっと面白かったかな。でも、この映画のターゲットである子どもたちはそういうの求めてないかもな。
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