RIO

ミュリエルのRIOのレビュー・感想・評価

ミュリエル(1963年製作の映画)
3.7
どっち付かずな気持ちに嫌気がさしてくるような会話が続き
ふぅと息をつく間もなく不穏な声の歌に拷問すら感じてしまう

昔の話ばかりだとエレーヌに苛立つアルフォンス
可愛らしいフィアンセがいるベルナールは辛い過去に囚われて少し歪んでいる
その苦しみの象徴のように記憶から離れない女性にミュリエルという名前をつける

後悔や納得できないことで現実よりも過去に拘ってしまったり
過去の思い出を振り返るより新しい感覚に切り替えたいとか
ベルナールとアルフォンスは同時にカフェで過去からの使者のような人物に捕まる

細かいモンタージュカットを使って多くの人々の記憶に頭のスイッチが変わる印象
バラバラだった各々の記憶は最終的な場面を迎えある結果を生む

苛立つ会話がひとつの軌跡に変化して
拷問だった歌の歌詞それこそがこの作品に出てくる人たちの人生だと気づくことができる

嵐の前の束の間の休息
歩んでゆく道に過去が与える影響が複雑な建築物が出来上がるように多面的に描かれていた
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