クロエに髪を洗って貰っていたバスティアンはふわりとしてて心地よさそう
2人が呼吸している空間の切り取り方が長い音楽を聴いているようだった 繰り返す旋律が繊細で切なさと懐かしさを奏でる
泡に脚を捕らわれ吸い込まれていく
言いたいけど言葉が出ない
つかなくても良かった嘘は誰でも言ってしまうこと
何処にも居場所を見つけられないクロエは眼差しを向けてくれるバスティアンが必要だった 手ばかり大きくなってて知らないうちに酷く自分は子供だったバスティアンは無理矢理でも力を尽くして向こう岸に渡らなければならなかった
全てが静か過ぎて痛い
深い夢から目覚めたのか 深まっているのか
毎日 通った道を気持ちが風を切って走る
自分はここに確かに生きている
1日の終わりに吹く風に抱かれた夏
青い夜と紫色の夕暮れが美しい
……
「Shape of light」 Wilhelm Brandl