このレビューはネタバレを含みます
「抵抗」で衝撃を受けたロベール・ブレッソン監督作品。
「抵抗」を見た時に、「孤独という主題は、無駄のそぎ落としや冷たさを伴うものであって、ひどく不快で、おそらく耐えがたいものです。」という監督自身の言葉を知ったが、まさに監督の作風そのものだと感じた。本作においても。
経済的余裕はなかったものの、自分に関心を向けてくれている人たちがいたのにもかかわらず、スリという行為にのめりこみ、良心やモラルすら欠如していった主人公・ミシェル。
何度もジャンヌに対して「そんな男やめとけ!」と叫びたくなったが、監督が徹底して作りこんんだ世界観の中に、ミシェルの暗い部分を感じて、少し彼女に同情してしまった。そして最後は、どうか二人には幸せになってほしいとすら感じた。
決して娯楽作品ではないが、監督の独特な技法(カメラワークやモンタージュ等)や、孤独の世界観がクセになると改めて感じた。他の作品も全部観てみたいんだけど、なかなか観られないのが残念…大きいTSUTAYAに行けばあるのかな…?