無名選手であったとしても「どんな理由であっても出塁率が高い」「打点率が高い」という理由で様々な選手を獲得し、チームを作っていくというデータ重視の統計学「マネーボール理論」こそが、貧乏球団がお金持ち球団に勝つことのできる方法であると信じて突き進んでいく姿には感心させられる。弱いチームが強いチームが勝つには、他のチームまたは強いチームがやっている方法と同じ方法では効果はない。独自の、誰もやっていない方法でやるしかない。そんなことを表現しているように思える。
試合外・ベンチ裏でのＧＭと監督の考え方の違いによる衝突、ＧＭと選手のお金や野球に対する態度によって起こる衝突は見ていて緊張感があり、とても興味深く感じる。しかし、頑なにGMの言うことや考え方に賛成していなかった監督が、あと一歩で新記録樹立という場面でGMの推した選手を代打で起用し、活躍を見せ新記録達成するという場面では興奮させられる。
弱いチームが批判されても一つの方法を貫き、強いチームへと成長していく姿、弱いチームが強いチームを倒していく姿、批判が称賛に代わる瞬間、記録を作る瞬間には興奮させられると共に、この「マネーボール理論」に効果があるということを示さなければ解雇させられてしまうということ、その他一つ一つの行動・言動が実際にあったことあるということが、実話ベースであることから緊張感を強く感じさせられ、とても興味深い。
