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ディレンジドのizuのレビュー・感想・評価

ディレンジド(1974年製作の映画)
4.2
狂気の屍体晩餐会

実在した殺人鬼’’エド・ゲイン’’を基にした作品。
父の死後、長い間母の介護を続けていた主人公エズラ・コブ。
彼は強いマザー・コンプレックスを抱えており、母の病死の事実を受け入れきれず、1年間苦しんだ挙句墓から母の死体を掘り返してしまう。
そして母親の死体と共に暮らせる事に再び幸福を感じていたのだが、死後1年以上経過している死体は朽ち果てかけており、彼は他の生物の皮などを使いなんとか原型を保とうとするのだが....

殺人鬼’’エド・ゲイン’’は実際2人しか人を殺していないのに、他の沢山殺しているシリアルキラー達と名前が並べられるのはその猟奇性にある。
彼は墓から死体を掘り返し、皮を剥ぎその皮でソファやランプなどの家具を作り生活していた。

この作品はそのエド・ゲインの猟奇性をとても上手く表わせていて、エズラ・コブを演じているロバーツ・ブロッサムもとてもハマり役だと思う。

本作は何と言ってもエズの猟奇性と掘り返した死体のクオリティが本当に素晴らしく、薄緑の様な色をしていていかにも腐臭が漂って来そうでたまらない。どちらかというと屍体。

剥製などで母の朽ちていく体を補っていくが、ある事がきっかけとなり人を標的とするようになる。

それには母の異常な教育が関わっており、めちゃくちゃ簡単に言うと’’女という生き物は汚らわしいから関わるな、触れる事さえもだめだ’’というもの。(これも実話)
そんな教えが彼にあったせいで、いざおせっくるをしようとした際その母の教えが頭をよぎり相手の女性を殺害。そこから彼の楽しい殺人物語が始まる。

正直殺人描写も地味っちゃ地味だし、終盤からはグロもないとうなスラッシャーのような何かになってはいたんだけど、殺して行ったり墓を掘り返しているから次第に家がカオス状態になっていくのがとにかく最高。

家には何人かの屍体が置かれ、骸骨がバスケット代わりにされていたり。女性を家に招いた時の、屍体まみれの食事会(?)がカオスすぎて思わず笑ってしまった。是非とも参加したい。

でもやはり見どころは屍体とエズの猟奇性とマザコンっぷりのみで、実際の映像や展開はちょっと地味。ドキュメンタリー風にもなっていて所々に新聞記者の男が解説として登場してくるのも要るか要らないかで言ったら要らない。

あと、死体の頭を割り脳みそをかき回すシーンが最高に魅力的なんだけど.......なんと海外版はカットされているらしい。(国内版やドイツのノーカット版にはあるけど)
観終わっても脳みそのシーンが全然なく、自分に自信のない私は「うっそ、どこにあった、またボケっと観てて見逃したか」って必死に巻き戻しまくったりして探してたけど無く、調べた結果カットされていたという。。。時間返して.......というか見せて????

視聴 2023年9月19日
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