TaiRa

12モンキーズのTaiRaのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
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ウイルスで世界滅びそうなのでウイルスで世界滅ぶ映画観た。

ギリアムって普通の映画作ったらちゃんとヒットするのにね。脚本は『ラ・ジュテ』の翻案だから一定の面白さは確約されてる。正常と異常の境目をフラフラする映画というか、そういう点でギリアムらしさもちゃんとある。観客が主人公に対し疑惑を持たない様に作ってるから、現実と夢の曖昧さみたいなのは薄いけど。主人公がタイムスリップして来た事実と主人公は狂っている事実を両立させているのが良い。「未来からやって来た。世界は滅びる」という事実を語る異常者、くらいのバランス。ブルース・ウィリスが当時やってた疲れ狂人系キャラは90年代の空気感そのものだったね。ブラッド・ピットのアッパー系精神異常者は面白いけど頑張ってる感がやはり強いな。ブラピにとっては必要な過程だったと思うけど。マデリーン・ストウは綺麗に撮ってた。ギリアムは基本的に女優ちゃんと撮る。ソフトフォーカスまでやってるし。ヒッチコックの引用がバカっぽくてデ・パルマみたいだった。金髪美女ぉ〜!みたいなノリ。主人公の時間軸からすれば、既に死んだ女とのロマンスだから『めまい』なのね。タイムトラベルものとしてこういうオチは好き。永遠に終わらない感じ。世界は滅びる時に滅びるから。
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