藤田敏八監督、秋吉久美子主演の青春三部作三作目。
ヒロインが最後に狂女になってしまう前代未聞の一作目『赤ちょうちん』に比べると、随分ノーマルな作品になっている。
その一作目に出ていた秋吉、高岡健二、長門裕之を再出演させた意図がちょっと分からない。謎の保険勧誘員役だった長門が今回は主役とはいえ、どうも一作目と被ってしまう。
秋吉は前二作と比べると、年相応の予備校生役。相変わらず妖精のような可愛さではあるけれど、やはり物足りない。最後に人魚姫みたいに海に帰って行く様子は美しいシーンだが、唐突すぎる。
というわけで今となっては貴重な、ウィスキー片手に路上ライブする野坂昭如のシーンが一番印象に残った。じんじんじん♪もいいけど、『黒の舟唄』も名曲。
