
第一話 『無口なピアノ』 閑散としたフェリーターミナルの片隅、学校帰りにピアノを弾くのが里奈の 日課。ある日コロナ禍による客足減少に伴い航路は廃止、ピアノも使用禁止に。 落ち込む里奈に無愛想な清掃員、村岡が「うちにもピアノがある」と自宅へ招く。 そこは、廃業したばかりの喫茶店だった。 第二話 『記憶と水音』 小さな画材屋を営む津田は、⼊院中の幼なじみ川瀬の病状が気がかりだ。 やがて自宅療養になった彼と、その娘奈々を交えた思い出語りのなかで、 幼少時に故郷の長万部町で河童を見た話にいきあたる。翌日、3 人は故郷へ 向かい朧げな記憶を辿って沼を探すのだが… 第三話 『昨日の煙』 かつて S L の乗務員だった元国鉄職員の吉井は、妻に先立たれてからの 一人暮らしをあきらめ⾼齢者施設への⼊所を決める。家財処分のため呼び 出した引取り業者の杉⼭に「私も捨ててくれ」と言い出した彼の願いは 「繰り返し夢に出てくる場所」を探すことだった。
海炭市にある造船所の一部が閉鎖され、大規模なリストラが行われた。颯太は職を失い、妹の帆波とふたりきりで寂しく大晦日の夜を迎えた。年が明けて、颯太と帆波は初日の出を見るために山に登ろうと思い…
>>続きを読む京都の嵐電の街。鎌倉からやって来たノンフィクション作家の平岡衛星は、嵐電の走る線路のそばに部屋を借り、嵐電にまつわる不思議な話を集める取材を開始する。そこには、衛星と衛星の妻・斗麻子が、且…
>>続きを読む長年にわたって航空写真家として活動してきたチー・ポーリン監督。彼は3年の撮影期間を掛けて台湾のさまざまな姿を捉えてきた。美しい自然、工場から出る白煙や排水にまみれた河川、人々の営みや日常な…
>>続きを読む凱里の小さな診療室に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすシェン。刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰り を待っていたはずの妻はこの世になく、しばらくして可愛がっていた甥も弟の…
>>続きを読む瀬戸内海の島で拾われて育った安吉は、生来ワンパクだけがとりえ。だが、人一倍郷土愛が強く、何とか不況の島の住民にあっと言わせようとあれこれ手を尽くす。チャチな楽団を島に連れてきて借金を背負い…
>>続きを読む村は干ばつがひどく、雇用機会もない。若者は次々と故郷を離れて、村には年寄りと子どもだけが取り残されている。そんな中、ビームラーオはやむなく自分で井戸を掘っている。この作品はアーガースワーデ…
>>続きを読む©Tsubo-film