男はつらいよシリーズ初めて観たけど、お、おもれえ…。
自分が生まれる前の映画を観る時って基本的にチューニングをむりくり合わせて観る感覚があるんだけど、これに関しては必要なかった。キャラクターの描き方が皆とても鮮やかで、それはこのシリーズが長いこと築いてきた物に他ならないんだろうけど、それにしても誰もがバラバラの人生を持っているということが短い時間でこんなに解る映画ってすごいと思う。
端的にいうと寅さんってかなり迷惑な人だし、周りが散々尻拭いさせられまくってるけど、それを良しとしていないというか、そういうところもあるけど良いとこもあるんです〜みたいな感じではなく、人って多面的だからある面は人に迷惑をかけるし、でもある面では人を助けることもあるよねっていう、フラットな視点で、ダメなことにあんまり甘えがなくて良いなあと思った。その視点が寅さんだけじゃなく、全ての人に注がれているから、イキイキした人たちが出来上がっているんだなーと。
2-30代の女性でこのシリーズ好きと言っている人結構見るんだけど、リリーさんみたいな女性をあんなに魅力的に描けることから合点がいった。
この映画の一番素敵なシーンはリリーさんが相手じゃないと出てこないのが良いなあ。タイミングと気持ちと、生き方とがどうしても合わない時ってあるよね〜という、ある意味とても普遍的な事を、さらっと、しかしエモーショナルに描いているのが良かった。他のシリーズも観たくなった。
