今作のことをつい最近知ってどこかで観れないかと探しMUBIに加入してみたら既に配信終了してがっくりきています。なので観れてないのですが、ここでのレビューがあまりにボロクソに書かれているのでPavement好きとしてはせめてバンドについては書こうと思いました。いつか本当に鑑賞できたら又レビューを更新したいと思います。

自分はもと在米でPavementとほぼ同世代で彼らが無名だった頃から知っていました。北カリフォルニアで大学在学中に大学のラジオ局でDJをやっていてラジオ局の音楽ディレクターをしていた自分のルームメイトがすごいバンドを見つけたと当時騒いでいて最初は２人でやっていたPavementのメンバーを自分のラジオ番組に呼んでたりして彼女の友人だったMatadorレコードの人にこれいいよって勧めたのが彼らがMatadorにサインされるキッカケだったかも、みたいなことを自慢していました。自分もその頃からずっと聴いていて数年後NYCに引っ越して数回ライブをみたりしました。多分というかPavementというバンドの良さはわかる人にはわかるけど、わからない人には全くわからないのかも知れないとも思っています。一度ライブに彼らを聴いた事がなかった友人を連れって行ったことがあったのですがまるでピンときていませんでした。まあお世辞にも演奏がうまいというバンドではないですが、とにかく他にはないセンスというかアルバムを聴いているとじわじわきて、時あるたびに頭の中で流れている、という気がします。実際にアルバムを聴き倒した後にライブに望まないとどうやってノるのかわからないのかも知れません。自分は初めて見る前に何年もCDを聴きまくっていたのでそこはわからないですが。音楽を技術とか伝統とかいう軸で見る場合、彼らは全くそことはずれているのでただ単に良さを感じられないかも知れないですが、彼らが登場するにもそれまでのインディー・ロックのシーンがあったりジャーマン・プログレとかメジャーではない音楽の流れからすると、何と新鮮でユニークなバンドだ、と当時は暗いグランジがインディーズを席巻していた中で何というか希望の星という様な存在だった気がします。彼らの独特性の一つとして全くの一般人というか、スター性とは真逆だけど全員、変な人というか、普通だけど変、みたいな人が集まって本当にユニークな音楽を奏でる奇才集団、みたいな。音楽を言葉で語るのは難しいですが気になった方はとりあえずアルバム「Crooked Rain Crooked Rain」を聴いてみてください。ピンときた方は一生大好きなバンドの１つになるかと思います。

MUBIで鑑賞。
彼らが90年代を代表するバンドだったことは否定しないが、ペイブメントもローファイもoverratedなバンド/ムーブメントだと当時から思っていて、所詮は音楽のことなど何も分かっていないヒップスターたちに受けがよい、ゆとり白人の適当な音楽だと思う。その影響を受けた今どきのインディーバンド（本作にも出てくるSnail Mailとか）のほうがずっとちゃんとした音楽をやっている。
アレックスロスペリーによるこのドキュメンタリーは、彼が撮っているペイブメントの伝記映画の製作シーンと本編、それにペイブメント曲を使うミュージカルの練習と公演、そしてバンドのドキュメンタリーが全部盛りになっている。
伝記のために役者たちが掘り下げても大した深みには達しないし、ミュージカルにすると楽曲の微妙さが露見する。結局あの時代に彼らがいい具合にやっていたからよかっただけなのでは。

☆ ドキュメンタリー/ 伝記/ ドラマ/ 音楽

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