どのシーン・構図も完成されていて、さすがジャック・リヴェットというところ。男がただ立っているだけでも緊張感が漂う。
物語について、「時間」に拘束される人間の在り方を男女のやり取り（捕まえてごらんなさい→力付くでも捕まえてやるぞ→捕まえられませんでした）のかたちを借りて表現したものと感じた。
会話の中でも、5年前、1時間後、翌日、1分あれば、永遠に、すぐに、、など。モノローグ前後の人物の表情からも時間により変化する心境が窺える。
出会って間もない逢瀬で夫人が時間を守ることについて述べていたことも、後半のすれ違いに向けられており見事。
また、どのシーンにも時計が映っていることにもぞっとさせられる。クリスチャン・マークレーの「The Clock」をなんとなく思い出す。
