ひろぱげ

ラヴ・ストリームスのひろぱげのレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
3.6
酒と煙草と男と女。(そして動物達)
愛がなさすぎ&虚しい愛をばら撒き続けて中身が空っぽになっている小説家と、愛が強すぎ&家族からの愛が欲しいのにそれが叶わずおかしくなっていく彼の姉。
愛の奔流を渡ったり、流れに逆らったりする人達の悲喜劇なのかな。

ジーナ・ローランズ演じるサラがボウリングするシーンと、彼女が夢の中で夫と娘を笑わせようとする場面が好き。

カサヴェテス監督自らが演じるロバートは、タキシードに着替える度に血まみれ・・・。歌手スーザンの母親とのダンスのシーンは妙に好き。

1989年、59歳の若さでこの世を去ってしまったジョン・カサヴェテス。次作そして遺作となった「ビッグ・トラブル」は自作とは認めず、監督としてのクレジットも拒否したそうで、この「ラブ・ストリームス」が実質最後の作品だと言えるんだそうだ。そう考えると、あのラスト、嵐の大雨の中去って行くサラ(妻であるジーナ)を窓越しに見送り帽子を振るロバート(カサヴェテス)は、妻への、そして観客へのGood byeだったのかも。
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