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ロゼッタのodyssのレビュー・感想・評価

ロゼッタ(1999年製作の映画)
3.8
【貧しいフランス人家庭を丹念に描く】

(以下は2005年に書いたレビューです。)

本年度のカンヌ映画祭で2度目のパルムドールを受賞した「ある子供」の公開に先立ち、ジャン=ピエール&リュックのダルデンヌ兄弟の監督作を恵比寿ガーデンシネマで特集している。その中から、1999年にやはりパルムドールをカンヌ映画祭で受賞したこの映画を見てみた。当時は私の住んでいる地方都市に来ず、東京でも上映期間が私の東京出張に重ならず、見損なっていた作品である。 

アル中の母親とキャンプ地で暮らす貧しい少女ロゼッタが、仕事を探しながら必死に生きていく様を描いている。アップが多くて見ていると疲れる映像だが、ヒロインのエミリー・デュケンヌの思い詰めたような表情が、ちょっとロリコン心理をくすぐるような微妙な可愛らしさ(可愛すぎないところがいい)で、よく考えられたキャストだなと感心した。プア・ホワイト(フランスではこうは言わないだろうが)の生活ぶりも興味深い。
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