ロゼッタの作品情報・感想・評価

「ロゼッタ」に投稿された感想・評価

記録のみ
(2019年DVD49本目)
(2019年通算109本目)
ちぃ

ちぃの感想・評価

3.7
トレーラーハウスにアルコール依存症で無職の母親と2人で住むロゼッタ。
失業してしまい、必死に職探しをするも、なかなか仕事が見つからない。
毎日を生きぬく事で精一杯の貧困な暮らし。
やっとの事で見つけた仕事、友達、夢見ていた安定した暮らしを掴みかけた途端に急展開が…
どん底の人生を逞しく生きる女の子のお話。

手持ちカメラでリアルな描写で、音楽もなく、単なる生活音だけがはっきりと主張されているのが印象的。
セリフも少ないけど、それでも伝わる感情。
どれだけ生活に困窮しているか痛いほど伝わってくる。
タフに生きてる感じだけど、ギリギリの所でもがき苦しんでいるロゼッタは見ているのが辛くなった。

観たのは2回目だけど地味だけど心に残る作品。
天

天の感想・評価

-
フィルムみたいな質感がかわいい
緑のタンクトップに多色柄シャツ、その上にガサっと羽織るラインの青ジャージもかわいい
カメラ手持ち?なのと一生音楽無しやからほんまにリアル、昨日映画館でアラジン見たとこやから死ぬほどチープに見えたけどこれはこれでいい

内容は自分であんま理解できん部分とかあったから後から解説みたら納得できて、なんてゆうんやろ、ほんまに救われへん話 言葉にできんけど
少なくとも今の自分には無関係やけど90年代のフランスてこんなんあったんかな
人間は生きるために必死、戦争の時代とかやったら全員が必死やけど、もう少し先の時代でまわりみんな普通の生活してるのに自分だけこんな境遇なのが辛すぎ
まじでちょい萎えどころじゃないハードモード
性格悪いけど、こんな育ち方したら絶対わるくなるししゃーない なんもいえん
もっかいみたいとか思わんけどちょい染みた
淡々とした冷たい世界を映し出す画面がぐわんぐわん揺れるもんだから三半規管やられます。


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仕事を見つけた
友達ができた
まっとうな生活
失敗しないわ
おやすみ


自分に誓えば今の温もりを捕まえることはできますか?傷だらけの私を包むこの温もりは明日には冷えて死んでしまうかもしれないから。現実は冷たくて薄情で約束なんて守ってくれない。死ぬことすら許されない。痛さしかない人生。どうして?

私が崩れ落ちた時に支えてくれたその腕は、私を救ってくれますか?
櫻

櫻の感想・評価

-
あなたはロゼッタ。わたしはロゼッタ。まっとうな生活と仕事。はじめての友達。それらが今、目の前にある。生きている。やさしさのブランケットに包まれて、息をしている。そう、ある夜に吐息とともに呟いた言葉は、明日になってしまえばどこかに消えていってしまうほどに頼りなかった。この幼い身体と心のすべてをもって安心を享受できるような、そんな約束も用意されていない。ぐらぐら揺れる世界は、わたしを容赦なく振り回して、こちらなんて見向きもしない街を追われるように走らせる。息があがる、心拍数がふえる、顔が歪む。精一杯の力でも、どうやっても回避できないような現実がたくさんあるんだってこと、もう散々、刻みこまれて痛いほど知っている。正しさだけでは生きていけないけど、自分を壊してまで生きていようとは思わない。だけど、それ以外のことだったらなんだってする。きっと神様が見ていたら、死んだらわたしを地獄に落としてしまうんでしょう。でも、それでもいい、現在だってそんなに変わらないはずなのだから。褒められないようなことでもたくさんやって、悔しさを握りしめながら生きていってやるんだ。
caay

caayの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

U-NEXT独占とのことで鑑賞。
短く地味な映画であるが、引き込まれてしまって時間があっという間であった。すごいね。
観て気持ちの良くなる映画ではないが、おもしろかった。

トレーラー暮らしのロゼッタは、アル中の母親を養うため、そして自分が生きていくために、孤独に仕事を探して暮らしている。

ストーリーはロゼッタが工場をクビになるところからはじまる。職を探しても、トレーラー暮らしで若い女性(というか少女)で、就業経験も少ないロゼッタに仕事はなかなか見つからない。

ある日、ロゼッタは近所のワッフル屋の男性店員と仲良くなり、ワッフル屋の仕事を紹介してもらえることになる。男性店員とも仲良くなり、仕事も見つかり、新しい家も見つかりそうになったロゼッタは、寝る前に毛布にくるまりながら、『私はロゼッタ。私はロゼッタ。まともな仕事を見つけた。友だちができた。私はまともだ。』とつぶやき、この状況をかみしめる。

しかし、仕事はすぐにクビになり、友だちとも仲違いし、アル中の母親のために仕事の選択肢を捨てる。最後には、仕事をやめたロゼッタの元に、バイクで煽りながらも友だちがやってくる。生活のために重いガスボンベを運んでいたロゼッタは、友だちを無視して自分のトレーラーハウスに向かうが転ぶ。そして、地面につっぷし泣きじゃくる。そんなロゼッタに友だちが手を差し伸べる。映画はこれで終わり。

まじめに生きようと頑張るロゼッタが見ていてつらい。ロゼッタはほとんど笑わないでぶすっとして毎日を過ごしている。
ロゼッタは、貧乏でも、売春やごまかしなど違法なことは、絶対にしないという強い意志を持っている。ギリギリで生きているところで、きっぱりと悪いことのラインを決めることは、自分を追い込みながらも、たぶん自分を奮い立たせるのに必要なのだろう。ロゼッタの純粋さは、各所で描かれる。つらい。

10代の少女ありがちなようにロゼッタは、おそらく生理痛がひどくてお腹をドライヤーで温める。薬とか、ホッカイロとか、湯たんぽとか、ピルとか、そういう解決方法を知らないのだ。生理に関する描写は、ロゼッタが若い女性であること強く印象つける。

ロゼッタは教養のないおしんみたいと言えるかもしれない。いじめのドラマなどを観てしまうように、つらい境遇で頑張る女の子の話って引き込まれてしまう。

ロゼッタは強く美しい。
スッキリとはしないが、よくできたいい映画だった。
海

海の感想・評価

-
ダルデンヌ兄弟知ってからずっと気になってた作品で、やっとみた。
正直言うと、これがパルムドールなの?って思ったけど、いつかこの作品を本当に理解できるといいな。
子供は逞しいのに親は弱く見えたのはなぜ?親になるとわかるようになるのか。
なんかイマイチ理解できない映画だった。
django

djangoの感想・評価

5.0
なんだこの最高な映画。衣装とヘアメに5億点。

(ダルデンヌ映画毎回思うけどベルギーの労働環境やばすぎじゃない?)
【作品メモ】
・録音したバンド内におけるドラムの練習音…そのドラム音が何とも素人感が満載で、主人公のロゼッタ(彼女)と彼の距離感がまだ打ち解けていない状況下で、更なる気まずさ・シュール感を引き出す材料となっている。

兄弟監督が仕掛ける彼らの演出は、
登場人物の周りに常に「耳障りな音」がチラつく。
「耳障りな音」が心地良いものであったり、その音が観客側の視点に立った時でも、本当に不快な音となる時があり、その場にいる登場人物の感情を「音の振れ幅」で表現しているように見える。

ラストシーンにおけるロゼッタに対して、彼が仕掛ける「バイク音」は、ロゼッタ自身のどんなにもがき続けても、絶望的な状況下を打破できないループ的要素を引き出していた。
反対に、最初にも述べた「録音した下手くそなドラム音」は、彼らの不器用な縮まりようにない距離感をそのままダイレクトに音で表現していた。

彼らの演出で、もう一つ特徴的であるのが、登場人物の「後ろ姿を追い続ける」カメラの視点である。
ファーストシーンは、ロゼッタが職場内で仕事に向かおうとする・早歩きの後ろ姿をカメラが追い続けている。
その後、他の職員に「止まれ、止まれ」と声をかけられるが、ロゼッタに止まる様子は見受けられない。
主人公(ロゼッタ)の後ろ姿を中心に絵作りを進めていき、その周りの様子を観客視点から正面で見せることによって、周りの雰囲気の先入観から、登場人物の情報源を観客に提示している。

よって、
早歩きをしている主人公 ←→ それを止める周囲の人々

の情報源から、ロゼッタがこの職場内を「クビ」になったという情報源をよりリアリティに…繊細に引き出している。
2005年以降ほぼ毎回思っていることだけど、ダルデンヌ兄弟が史上初3度目のパルムドールを受賞できるか気になってしまったこともあり、久々にこの出世作を見直すことにした。

基本的に自分の嫌いな手持ち撮影なのにダルデンヌ兄弟の作品においては全然嫌悪感を抱かないのは、人物に生きることへの必死さみたいなものがあって映像がそれを引き立たせているからなのかもと改めて感じた。

イゴールの約束同様カメラワークとかの洗練具合はまだまだって感じだったけど、画面から伝わるエネルギーは尋常じゃないものがあるから否応無く見入ってしまい他の手持ち映像の作品と一線をか画するものが既にあったし、作風の共通点が感じられないクローネンバーグらがパルムドールに選ぶのもよくわかる。

でもこれだけの作品がアカデミー賞で外国語映画賞の候補にも選ばれなかったのは納得がいかない。(オールアバウトマイマザーはともかく他の作品より絶対出来は上だったはず)
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