ロゼッタの作品情報・感想・評価

「ロゼッタ」に投稿された感想・評価

Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
ドキュメンタリー出身の監督らしく終始手持ちカメラ長回し、音楽無しが貫かれ、非常に生々しい映像となっている。ドグマ95の要件を満たしているのであろうか。掴み合いのシーンの激しくブレるカメラワークに躍動感がある。
正直手持ち主体の作品はあまり好きではないのだが、本作に関しては常に高い緊張感を保つ良い効果を出していたと思う。特に冒頭のシーンはインパクトがある。
ドキュメンタリー調の中でも美術、衣装に赤と青が意識して用いられることで、画が最低限の劇映画らしさを得ている。
主演のエミリー・ドゥケンヌの魅力も大きい。下手に女優的な容姿の美少女を使わないことが功を奏している。
時折編集のタイミングとなる、扉がバタンと閉まる描写が印象的。ロゼッタの頑なな心、世界への拒絶感を感じさせる。
生理痛、ゆで卵を食べる描写など「生」が強調される。ロゼッタの生きるエネルギーが全編に溢れている。
下手なドラムの録音に合わせて食事をし、ぎこちなくダンスをするシーンは唯一微笑ましく、印象的なのだが、それすら後の裏切りをより残酷に見せるものとなる。
ラストは長回しと画面外のバイクの音で語る演出が光り、初めてロゼッタが弱さを見せたところで終幕、無音のエンドロールとなる。最後の最後まで抑制が効いている。
jumo

jumoの感想・評価

4.0
タブリエに赤く刺繍されたRosettaのなけなしの母親感が切なくて、仕事でも家族でも恋人でもいいから誰かロゼッタを助けてほしいって気持ちでいっぱいだった

BGMがなくていつも雑音がしてて手持ちのカメラでぶれぶれで長回しも多くてすごくヒリヒリしたんだけど、最後ロゼッタが頭でゆで卵割って一口食べてすぐにコンロに向かった姿見て「あっ、追加のゆで卵かな?やっぱ一個じゃ足りないよね〜」とか思ってたわたしはゆで卵で頭を叩き割られるべきだと思う
はい。
涙じゃなんにも片付かない。

完璧。

だが、ダルデンヌら どうした?
音楽使ってから何か弾けてしまったかのように
雑になったぞ。
そこから名作1つもないように思う。

独立系に予算アップの匂いがすると
見事に落ちていくなぁ。
なかも

なかもの感想・評価

4.8
ものすごく酔うしずっとしんどい
けどお願いだから最後まで観て。っていう映画。
本当に好きです。

このレビューはネタバレを含みます

清く生きたくても清くは生きられないことを悟って死のうとする。
告げ口をし合い、仕事を奪い合う切った張ったの世界で生きる道として、受容する他者の存在が提示されて映画は終わる。
ロゼッタを受容すべき母親がアルコールとセックス依存症で、ワッフル販売員の彼は彼女にとってはじめて自分を受け入れる存在なものだから、彼を見る彼女の表情には困惑と奇異とすがるような気持ちが浮かぶ。
早歩きのロゼッタを近くで追う手持カメラが彼女の平穏ならざる気持ちを表す。
この救いの無さと不快感は、
ブレッソンの「ラルジャン」を思わせる。
そしてこれは一種のシネマトグラフ。

ロゼッタを追いかけるカメラに悪酔いしそう。
35mmフィルム上映にて鑑賞しました。
2回目の鑑賞です。

本作はパルムドール賞の作品です。パルムドールってほんといい作品を選考してますよね。
ハンドカメラ、音楽無し、登場人物が少ないのが主人公ロゼッタの気持ちがリアルに伝わってくるんです。

酒とセックスに溺れたお母さんとキャンプ場のトレーラーハウスに住み、職についても理不尽な理由でクビにされる女の子ロゼッタ。

母親もハロワも仕事も誰も助けてくれない。

唯一の希望まで捨ててしまった先に見えた景色は?
7子

7子の感想・評価

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小麦粉と機械
ドライヤーとおへそ
友達とロゼッタ
ぐるぐる 真ん中に飲み込まれてしまうのか 入っていってしまうのか
Koumett

Koumettの感想・評価

4.2
35mmフィルム上映で観賞

映画というより、
ドキュメンタリーのようだった。

生きていくのに必死なロゼッタ。
生きることしか考えられなくなったロゼッタ。

自分に良くしてくれた人をも裏切る行為は
ロゼッタの内面の問題なのか
環境の問題なのか。。

いずれにしても、生きるって
本当はこんなに大変なんだ
と改めて考えた。

全編通してムスッとした彼女が、
少しはにかみ、微笑んだ瞬間
何か救われたような気がしたな。

ところでロゼッタは
その道で生きていったらどうか?
と思うくらい釣りが上手い。笑
スクリーンをつたって漏れる吐息、目ば苦しい躍動感に身体を重ねてしまうからでしょうか。手持ちカメラで捉えた彼女の近影に客観的な介入を妨げてしまうほどの投影を禁じ得ない。
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