すずす

模倣の人生のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

模倣の人生(1934年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ映画史上、画期的な映画の一本として名を残す傑作メロドラマ。
クローデット・コルベールは1935年『或る夜の出来事』でアカデミー賞を貰う直前、こんな名作でも主役を演じていました。

助け合って暮らしてきた白人の母と黒人の母。黒人の母の娘がカラード(微妙な有色)の為、二人の、そして二人の娘の人生はかけ離れた方へ舵が切られ――

デリラ役には人生殆どを、メイド役等の端役で過ごした、ルイーズ・ビーバーズ。クローデットの相手役にはワーナーの契約俳優『一日だけ淑女』『ゴールド・ディガーズ』のウォーレン・ウィリアム。
人種による差別の感じ方が、現在と大きく異なる30年代、物語の中で、「有色人種の娘ペオラが白人との結婚を望む」という考え方自体に検閲が反対、書き換え要求したのだそうです。

以下、物語の詳細。

朝、家政婦志望の黒人デリラが家を間違えビーの家を訪問します。ビーの娘ジェシーがゴム製アヒルを取ろうと風呂に落ちてしまい。シロップ販売で外出しなければならないビーは、デリラに家事を頼み、ムラ―トの娘ペオラと一緒に四人暮らしが始まります。デリラはパンケーキが美味いデリラをみて、ビーはアトランティックシティの町中でパンケーキ・カフェをはじめます。数年後、商売は大成功。

ジェシーに「黒人」と呼ばれ、泣いているペオラに対し、デリラは真実を受け入れるように諭します。しかし、デリラが忘れ物を届けるために学校に行くと、ペオラが黒人であると知られてしまうと、ペオラは学校には行かないと云い放ちます。

ある日、ビーは通りがかりの男エルマーに成功へのヒントを貰います。ビーは彼を雇い、「デリラのパンケーキ」として商品化して大儲け。法人設立への参加を拒否するデリラは家政婦に固執し、ビーは銀行口座を作ることにします。ニューヨークの邸宅に暮らしになってもデリラは家政婦にまま。しかし、ペオラは黒人コミュニティを嫌い大学を辞め、消息不明となります。

ビーはエルマーに魚類学者のスティーブンを紹介され恋に落ち、結婚を誓いあいます。スティーブンは好かれた後に、娘ジェシーに告げようと、休暇で帰省中にジェシーの遊び相手となります。すると、ジェシーも彼に恋をしてしまいます。

いかがわしい酒場で働くペオラを連れ戻そうと、デリラが出向くと、ペオラは白人として生きるので絶交を告げます。
スティーブンと母の結婚を知りショックを受けるジェシーを優しく諭すデリラですが、心労が重なりデリラは病床に伏してしまいます。そして「鼓笛隊と導かれ、馬が曳く白い霊柩車で弔って欲しい」という遺言を残し、命を引き取ります。

壮大な葬式はカテドラルで行われ、棺が名誉衛兵のサーベルアーチを通って運ばれる時、母親に許しを請うペオラが現れます。ペオラは大学に戻ることにしました。ビーはスティーブンとの結婚を少し先延ばしにし、娘のジェシーにゴム製アヒルちゃんと、デリラとの出逢いを語りはじめます。

ビー・プルマン役     
        クローデット・コルベール 
スティーブ・アーチャー役 
        ウォーレン・ウィリアム 
娘ジェシー役    ロシェル・ハドソン 
エルマー・スミス役 ネッド・スパークス
デリラ・ジョンソン役   
        ルイーズ・ビーヴァーズ
娘ペオラ役     フレディ・ワシントン
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