全ては”振動”している

この度、父親が亡くなったキャリーさん。その遺産周りの整理で判明するのは、彼が所有していた多数の偽名口座の存在と、特許…”エレクトロマグネティックヒーリングデバイス”なる意味不明機械。

どうも父親は ”Dr.J” という名で、実に陰謀的発明品を売っていたバキバキの陰謀論者。そんな彼に向き合うためか、親交のあった人々を辿っていくキャリーさんだが…みたいな。

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高級分野において極めて珍しい72分という短い尺が気になり再生してみた人間ドラマ系。

相当胡散臭いインチキマシンを発明してはテレビ通販なんかで捌いてた発明家の父親…そんな親を持ちつつ陰謀に傾いていない娘。陰謀論者たちと実際に対話して何を感じるのか…という話。

謎の古代エジプト神の真実を語り始めたり、突然祈りを捧げさせられたり、製薬会社に狙われて殺されたんだと主張してたり、癌細胞がリバースするだの、かなり何言ってるか分からない多様な陰謀論者たち。そんな彼らを軒並みカバーしてる父親もなかなかどうかと思うけど、誰もが父を慕っているのがミソというか…。

キャリーさんの「信じない」とは宣言するけど、彼らの話を大きく否定はしないで聞いている物憂げな雰囲気も合わさって凄く良い…。

ファミコンめいた音楽…古めのフィルムの質感に加えて、陰謀グッズ通販番組の様子が挟まったりと言った表現的な部分も面白くて、かなり不思議な味でした。恋人の声がええ声過ぎる。

個人的に気に入ったのは、骨壺展示室、狂ったお茶会セット、デバイスのレトロSF感です。