菩薩

バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢の菩薩のレビュー・感想・評価

3.5
なんの映画かと聞かれれば当然「猿」の映画だが、どんな映画かと聞かれれば正直よく分からない…。ドパルデューが飼う事になるチンパンジーの名前が「コーネリアス」な時点で『猿の惑星』を受けて撮られた作品であろう事は想像に易いし、フェレーリなりの文明批判、特に男根に根差す物に対してのシニカルな眼差しを感じられる作品ではあるが、相変わらず奇怪でありこれと言って掴みどころもない…。『未来は女のものである』(未見)なんて作品があるくらいだし、この映画のラストも子を産み落とした母親が正しく未来を見つめているのに対し、小猿と戯れる事しか出来ない孤独な青年は炎に包まれる事になる。丸々太ったネズミとガスマスク駆除員が齎すディストピア感、あのネズミこそが人間なのかもしれない。
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