がく

自殺サークルのがくのレビュー・感想・評価

自殺サークル(2002年製作の映画)
4.8
どうしてこんなにも評価が低いのかわからない作品です。

「あなたはあなたと関係ありますか」という命題は、自分のことを大切にしない人の多い現代社会において、誰かから何かしらの役割があったり、また必要とされてなかったり(あるいは自分でそう感じていたり)というこの時代において自分をどのように見ているのかということであると思います。

そして、自分のことを他人のように認識すれば、自分と関係のない人が死ぬことに対して人はなんの感情も湧きません。新聞の死亡欄に知らない人達がたくさん載っているのを見て悲しいと思うでしょうか。自殺サークルでは自分をそのように捉える人たちが、他の人との繋がりを感じて一緒に死んでいったのではないでしょうか。
つまり、あなたと一緒に死んでいく私という役割を与えられた人間になるということで、自己肯定に走ったのではないかと思います。

自分もこの映画を見ている途中、見終わってから私が私に関係しているのかをすごく考えました。

園子温の哲学も良く感じられたとても素晴らしい作品でした。
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