成長するレンコを演じた田畑智子が、素晴らしい演技を見せてくれた。本作がデビュー作。
この映画で忘れられないセリフは多数でてくるが、なかでも、レンコが水をかけられてお世話になる老人の「昔のことを全部覚えていたら生きておれん。思い出は、片手ぐらいで十分じゃ」は重みがあった。
忘れてはならないのが、レンコの『おめでとうございま～す！！』の叫び。
自分たちの過去を祝福する瞬間に、少女がひとつ成長したことを意味するのだと解釈したが、直接的な表現ではなく暗喩のような表現なので、人によって解釈は異なるかもしれない。
レンコの学校の教師（笑福亭鶴瓶）は、木目米（きめこめ）さんであるが、たしかに相米と読めるユニークさ。
なかなかの秀作である。
