キッチャン

お引越しのキッチャンのネタバレレビュー・内容・結末

お引越し(1993年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 1993年カンヌ映画祭「ある視点」部門招待上映。 
 始めて鑑賞しました、題名のお引越しは、住居を替えるのではなくて、子供から、少し大人になった女性の心のお引越しなのですね。
 主人公のレンコは、両親が別居する12歳くらいの少女です。
 3人の間の一見普通の家族の夕食は、彼女の父親ケンイチ、母親のナズナは長三角形のでダイニングテーブルで食事をしています。
 ケンイチとナズナは三角形の長い面に座り、レンコは三角形の底辺に座っています。
 この座っている配置でレンコは両親を対等な視線で見ていことがわかります。
 このシーンで感じたことは1983年の家族ゲーム(監督森田芳光)で家族5人が最後の晩餐の様に横並びテーブルで、お互いに向き合っていない家族の特性を表していると思いまし太一。
 レンコの行動で思ったのは2点あります。
 1点目は学校の行動(教室の給食ビンタ事件、理科室のアルコールランプの火事事件)
ビンタ事件の後の女の子2人の自転車シーンと、家事事件の後のレンコが逃げてナズナと木目米先生(笑福亭鶴瓶)が追いかけレンコがバスに乗り乗り込んだバスの車内からレンコと木目米先生が見えりるシーン。
 両方とも監督得意の長回しシーンが最高でした。
 木目米は木と目を合わせると相であとは米で相米で監督の遊び心デスね。
 2点目はレンコが風呂場に立て篭もりするシーン。 
 この時レンコは初めてスカートを履いています。
 女としての抵抗でしょうか?
 湖畔の森の中で一人で夜を過ごしたレンコ(白色のワンピース)は、湖畔に浮かぶ竜の山車の前でレンコとお揃いのワンピースを着ているナズナを見かける。
 彼女の両親は彼女に背を向け、沈む前に水の中に立ち去るが彼女は「どこに行くのですか」と尋ねるも無回答。
 彼女は一人残され、ワンピースを着た自分を抱きしめる。
 消えるのは過去のレンコ。
今ののレンコは、お祝いの「オメデトウ・ゴザイマス」と叫び、彼女の心は成長しました。
 クロージングクレジットには、活気に満ちた優雅なレンコがストリートシーンの周りを踊り、彼女が出会うすべての人に触れます:
 レンコはのナズナに花を贈り、ケンイチの肩をマッサージとしています。
 レンコは、未来に向かっていしています木を横切るとレンコが中学校制服を着ていて、明るい表情です。

 このシンプルでパワフルなスタイルの映画製作は、是枝裕和、西川美和、黒澤清(東京ソナタ)などの国際映画祭の常連など、監督に影響を与えているのは明らかだと思います。
 相米監督の映画は殆ど鑑賞しましたがこれがベストです。
 

 本編

 https://youtu.be/IHWREQ7Knr8