スギノイチ

ミスター・ノーボディのスギノイチのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)
3.5
「若造ガンマンが英雄ガンマンのイニシアチブを取る」という一風変わった西部劇になっている。

西部劇なのに、ただ銃をバンバン撃つだけの単調な銃撃戦がほぼ無いのが驚き。
ぶん殴ったり、鏡を使ったり、人形を使ったり、多彩なトリックがあって飽きない。
巨大な小人、鏡の館での戦いなど、絵的にも感覚的にもインパクトの強い映像が多い。

特に序盤の床屋シーンの緊張感がたまらない。
髭を剃るジョリジョリ音と、外の馬の皮膚が磨かれるジョリジョリ音が交互に挿入されて、ジャックの感覚が外まで研ぎ澄まされている事が伝わってきてアドレナリン出まくり。

不満点はある。
1対150人の戦いの描写はいくらなんでもショボすぎる。
遠くからただバンバン撃ってるジャックと、苦しむ敵たちの静止画が交互に映るだけだ。
事実上のクライマックスがこれじゃやっぱり物足りない。
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