⼀⼈の看護師から⾒えてきた医療界の闇と謎 都⼼から1時間ほどにある24時間対応の野戦病院。 ⽇本に残された最後の封建的巣窟の医療界を象徴するような医師・看護師不⾜は、⾼齢化の波に増幅されて厳しさを増していく。 そんな中、看護師確保に向かった事務⻑と師⻑は、能登半島の先端にある看護学校で⽇登美のスカウトに成功する。 その⽇登美が卒業後、上京し勤めた病院の勤務部署は、3つある⼿術室をやりくりするのが⼤変な⼿術室であった。 当時は、⼿術の⿇酔は、⼤学病院などの⼤きなところ以外は外科医が「⾃分の⼿術は⾃分」がやるのが常識であったが、医療技術の進歩と⿇酔事故の訴訟が多発する現状から、⼩さな病院でも⿇酔専⾨医に依頼するのが常識となってきた。 都⼼の東都⼤学⿇酔科教室から3⼈の同級⽣を何とか1年間おきにローテイトしてもらうことに成功した病院だったが、⽪⾁なことに、徐々にそのしわ寄せはローテイト中の1⼈の⿇酔科医、秋元にのしかかる。 どんなに忙しくても、並列⿇酔を引き受けようとも、真夜中に幾度となく呼び出されても、嫌な顔を1度もしたことのない秋元に周囲は不思議な感覚を抱きながらも、その善意にすがっていく。 そんな中、⽇登美は秋元の影に潜んでいる消したくても消せない過去と、⽇々憔悴していく⼼の深層に迫っていく。 そして秋元及び、相も変らぬ⼤学の医局⽀配という「⽩い巨塔」に潰されていく3⼈の⿇酔科医が辿り着いた衝撃的な結末は・・・。
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