ヴぇる

星を追う子どものヴぇるのレビュー・感想・評価

星を追う子ども(2011年製作の映画)
3.6
秒速を世に送り出すも当時は知る人ぞ知る素晴らしい作品という扱いだった新海誠監督の次作である。

分かりやすい制作会社のオマージュを感じることはあるが、作品自体の出来はいいと思う。
起承転結はハッキリしておるしプロットから登場人物の役割と行動原理に至るまで不可解な点は一切なく。長尺の映画の割には目を離すことは出来ず雰囲気にのめり込むことは容易である。恐らく脚本としては近年の2つの作品と比べるとピカイチなのでは無いか。

ただし、長尺でも足りない程カットしている部分や少し強引なシーンも見受けられるのでNHK等でワンクールを使った作品に仕上げればまた違った評価を受けたと思われるので少し残念だ。

しかし、個人的にはここまで評価が低い理由が見当たらずジブリが偉大すぎるためそこを排除して考えられない日本人の性がそうさせてしまうのではないかと少し同情すら覚える。

結果的に今作はヒットに至ることはなく、言の葉の庭を経てリベンジとして君の名はと天気の子に続いていくが、世間的にヒットするのはどうでもいいが、いい加減子供向けのファンタジー作品は食傷気味だ。そろそろ勘弁願いたい。
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