もしも⽇本で「安楽死法案」が可決されたら――。国会で「安楽死法案」が可決され、国家戦略特区として「ヒトリシズカ」と名づけられた施設が誕⽣。安楽死を希望する者が⼊居し、ケアを受けられるこの施設は、倫理と政治の最前線で物議を醸す存在となっていた。 若年性パーキンソン病を患うラッパー・酒匂章太郎(毎熊克哉)は、進⾏する病に苦しみながらも、ヒップホップに救いを⾒出し、⾔葉を紡ぎ続けていた。共に暮らすのは、チベットで出会ったジャーナリスト・藤岡歩(⼤⻄礼芳)。⼆⼈は、章太郎が余命半年を宣告された今も、安楽死に反対で、特区の実態を内部から告発することを⽬的に、「ヒトリシズカ」に⼊居する。 施設には、末期がんに苦しむ池⽥(平⽥満)とその妻の⽟美(筒井真理⼦)、認知症を抱え、完全に呆けないうちに死なせて欲しいと願う元漫才師の真⽮(余貴美⼦)など、それぞれに事情を抱えた⼊居者たちが暮らしていた。 章太郎の⾝体は急速に衰え、⾔葉さえままならなくなり、章太郎は歩に相談もなく、「安楽死を望みます」と考えを⼀変。歩は、池⽥の主治医の⿃居(奥⽥瑛⼆)の他、章太郎の主治医の尾形(加藤雅也)、三浦(板⾕由夏)ら特命医それぞれの想いにも触れ、命と死に真摯に向き合うことを迫られる。
©「安楽死特区」製作委員会