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いってらっしゃいの花
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『いってらっしゃいの花』に投稿された感想・評価

【余韻と余白の使い方がお見事、若手監督による自主制作映画、次のステージにも期待大】:
「いってらっしゃいの花」、20代の女性監督による自主制作映画。
2025年11月の十三下町映画祭における観客賞受賞作品であるが、
余韻と余白の使い方が絶妙で、その評価に何の違和感もない。
メジャーに舞台を移し、もっと評価されるべき作品である。

あの世とこの世の間にある「待合室」の物語。
その待合室で過ごす時間とキモチの分厚さに気づかせてくれる。
まずこの世界観が素晴らしい。

私自身、昨年秋に2人、今年夏にも1人、
とてもお世話になった人が立て続けに「あの世」に旅立った。
しかし、どうもまだモヤモヤしているのだが
この作品のように彼らも「待合室」をベースとして
気が済むまで「あの世、この世」を行ったり来たりしているのかなと思うと
私の方で感じるモヤモヤも受け入れられるような気がする。

そしてこの世界観にせよ、役者陣の演技にせよ、
本作におけるキーワードは「自然体」ではないかと思う。

主演の女性は気づいたらこの「待合室」にいる。
その「気づき方」と「受け入れ方」がとても自然体で良い。
「あの世、この世、その間にある待合室」のシームレスさを体現しているかのように。死が突然、日常に切り込んでくるという儚さと現実。
もっとウェットに、理屈っぽく押し付けられてもおかしくない世界観ではあるが、サラッと描かれているところも本作の特徴である。

また、この女性のフィアンセ役の俳優は、
ステレオタイプに酒におぼれて自暴自棄になっていくのだが、
その「ダメなとき」の演技が出色。
ダラダラしながらも、常に肩にチカラが入っており、呼吸も浅い。
希望と幸せに満ちた回想シーンとはまったく別人に思えるほど演じ分けられており、
セリフだけでなく、彼の役者としての身体表現の繊細さと鋭さを感じさせた。
(彼がダメなときに一瞬だけ登場する女性の立振る舞いもシュールで、その雄弁な後ろ姿含めてキャスティングに成功したなと思う)

本作のキーとなる「案内役」の役者の立ち振舞いがこれもまた自然体で味がある。
「待合室」のカウンターがまさに「あの世、この世」のメタファーとして「あっち、こっち」を表現している。
そもそもbarはそういう場ではないのかなと思わせる。
特に終電を完全に逃した深夜2時とか3時くらいの空気感、
日常と非日常、虚と実が密にまじりあっている場として。

そして何よりも本作のラストシーンでの伏線の回収がお見事で、
見終わった後に「わっ、やられた」と声が出るほどである。
なるほど、あのシーンのあの所作はそういう意味だったのか、と。
しかし、その「意味」については実はハッキリとは示されていない。
まさに余韻と余白を持って観客に感じさせる。

この点、これだけ「余韻と余白」を使いこなせるのであれば、
あと15分ほど尺を削ることができたように思う。
それによってより作品の「余韻と余白」が際立ったかもしれない。

いずれにせよ、監督や主演女優を始めとする役者陣に伸びしろしか感じない作品だった。
本作のようにインディペンデント映画から商業的に成功を収める作品が
邦画でも年に数本出ているが、
本作がそのように出世してもまったく意外ではない。
この映画祭の受賞で機会を得て、多くのファンを獲得して欲しい。

PS/私を初めて新宿ゴールデン街のbarに連れて行ってくださった先輩が昨年秋に亡くなった。
最近レスポンスがないなと思っていたら奥様から「先月亡くなりました」とのメッセージが入った。自宅で突然倒れてそのまま意識は戻らなかった。前日にはルーティンで5キロのジョギングもこなしていたというのに。
まさに「あの世、この世」のシームレスさ、「余韻と余白」。
若い時は自主製作映画に取り組んでおられて「映画において照明がいかに大切か」という話をよく聞かせてくださった。
コピーライターで、小説も書いておられた。
私は先輩に勧められた作品は映画も小説も必ずトライしてレビュー(みたいなもの)を書いた。
SNSでのやり取りだったが、毎回、家庭教師のように丁寧にコメントを頂戴した。
決して批判とか非難するものではなく、「その作品をそう見たのならこれも見ろ、この小説も読め」と世界を深めて拡げてくださった。
この先輩との出会い、先輩が連れて行ってくださったbarでの縁に恵まれたおかげで私はその後も映画を見る生活が続いている。
私の映画レビュー、どう受け取ってくれているのかな。
先輩が完全に「あの世」に行ってしまったのか、まだ「待合室」にいるのかわからないけれども。もうさすがに行ってしまったかな。
本作を通してこの先輩との関わりを思い出すことができたことにも感謝しかない。書き出したら止まらなくなったよ。

PS2/この先輩の好きな監督が長谷川和彦だったことも本作との縁を感じさせる。もちろん結果論ではあるのだけれども。自主制作映画とか、新宿とか、barとか、「太陽を盗んだ男」とか。
もう少し短いとなお良い。