もーる

独裁者のもーるのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
5.0
「絶望してはいけない。」


第二次世界大戦が開戦した直後の映画とは未だに思えない。
喜劇王チャールズチャップリンの初めてのトーキー映画。チャップリンと聞いただけで=サイレントと思いがちだが意外な事にトーキーもいくつかあってしまう。そしてカラーも1作あってしまう。笑

笑いにはもの凄く厳しい僕でもおもしろかった(ゲラ)
チャップリンがある国の独裁者とユダヤ人の理髪師の二役を演じるのですが、まず最初の「独裁者とユダヤ人の理髪師が似ているのは単なる偶然である」がおもしろ要素850。こんな始まり方でおもんない訳ないでしょ。ハンガリー舞曲に合わせてヒゲを剃るシーンはもう、素晴らしい。まさにコメディの原点とも言えるシーン。これから美容院で髪を切られている時にハンガリー舞曲がかからないかソワソワしそうです。
親の影響で昔からドリフターズやMrビーンが大好きなのですが彼等がチャップリンの影響を受けている事は間違いないですね。
無表情でおもろい事する奴よりおもろい奴はいない!

有名なラストシーンの演説。
「絶望してはいけない。」
元からめちゃくちゃ政治的な映画ならどうだったか。
あまりこのセリフは歴史にも記憶にも残らなかったのではないかと思う。
それが、チャップリンのブラックジョークとコミカルな演技と共に話が進んでいく為、堅苦しくなく、あの6分間の演説がより心に響いたのでしょう。

喜劇王の名はだてじゃなかったです。
他のチャップリン映画や、バスターキートン、通商連合軍の役立たずこと、ハロルドロイドの映画も機会があれば観たいと思います。
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