原作は未読ですが、昭和の社会派ミステリ-の堂々たる傑作といっていいでしょう。戦後の混乱が生んだ悲劇というところでは、松本清張の「ゼロの焦点」や水上勉の「飢餓海峡」なんかを引き合いに出したくなります。
西条八十の詩集や、「キスミー」という被害者の言葉から謎解きしていく前半は滅法面白いです。事件の輪郭が見えてからの後半がややだれるのが難ですが。
ジョージ・ケネディはかなり重要な役どころで登場。ジョージ・ケネディといえば「大空港」や「裸の銃を持つ男」で有名。そんなビッグネームが松田優作と共演するのだから痺れます。