人間の証明の作品情報・感想・評価

「人間の証明」に投稿された感想・評価

小学低学年の頃、実家にあったこの小説を背伸びしてページをめくった記憶がある。

『母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね…』で始まる詩と、表紙か帯にあった麦わら帽子の残像と、今はもう取り壊して無くなってしまった実家の居間に差し込んでいた西日の眩しさの記憶…

映画は、西條八十(さいじょうやそ)の、『ぼくの帽子』という詩をモチーフにした森村誠一原作の同名小説の映画化。小説も映画も名作とまではいかないかもしれないけど、詩人の記憶と40年近く前の幼少時の自分の記憶と重なり、この詩は自分にとって特別なものとなった。

映画をまともに見たのは初めてだったけど、昭和の大スターやキャスターが勢揃いしていて角川の力の入りようが伺えますね。ちょっとTVの刑事ドラマっぽい演出はむしろ昭和らしさと捉えたい。
当時の観客が織り込み済みだった何かが省略されているのか、え⁈そのノリ何⁈登場人物全員ひどいな⁈特に優作がひどいけど、ひどいやつとして描いてるのかいいやつとして描いてるのかに対する絶妙な不安感が湧くみたいな、とにかく困惑するんだけど、もし誰かに感想を聞かれたなら釈然としない顔で、おもしろかった…と言ってしまうであろう(困惑)
ぺ

ぺの感想・評価

3.2
松田優作とジョージケネディのコンビが思ったより好感持てた。
話はこちらの方がスッキリするけど全体的に野性の証明の方が荒削りな感じがして好き。
Uknow

Uknowの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【麦わら帽子(ストローハット)西条八十詩集】
 デザイナーである八木恭子のイベント会場エレベーターである黒人男性が胸に刃物を胸に刺され血を流して亡くなる。最期の言葉は「ストーハ」。

 それを追う刑事棟居(むねすえ:松田優作)、彼は幼少期に八木を助けようとした父を手の甲にタツノオトシゴが彫られた米兵に襲われ殺された過去があった。被害者である黒人男性はジョニー・ヘイワードという名であり、彼の父もまたジョニーを日本に送るためにその命を賭していた。

 時同じくして、八木の一人息子の新見はホステスのなおみを轢き殺し海に捨ててしまう。現場に残されたのは母から譲り受けたオルゴール付きの懐中時計。政治家であり家庭の外に多くの妾を抱える父、デザイナーとして外で活躍し、裏切りを続ける父親を容認する母に嫌悪を感じる新見だったが、母に罪の告白をし母の言によってNYに渡る。

「あなたは人を殺し海に捨てた悪人よ」
「悪人なら悪人らしく最後までその苦しみを背負って生き続けるのがあなたの責任の取り方でしょ」

 なおみの愛人と夫は彼女の行方不明を機に手を取り犯人の捜索に乗り出す。現場に残された時計から新見にたどり着くが、親が大物である故に二の足を踏む捜査官を傍目に棟居は捜索を担う。

 ジョニーの捜査は棟居の働きによって進み、ついに彼が訪ねようとしていた人物と関連する土地へとたどり着く。そこで起きた真実を知るであろう老婆の殺人。かつてそこに来ていた黒人兵とその息子の話。ジョニーは誰かを訪ねていた。その誰かとは八木であった。八木に迫った棟居たちであったが、ポーカーフェイスで否定する八木。しかし、麦わら帽子の詩に対しては目を見開きアクセルを踏み抜いて去っていった。

 ジョニーの出自を明らかにすべく、また、新見を追うためNYに渡った先で出会い捜査をともにすることになったのは手の甲にタツノオトシゴを持つ男ケン・シュフタンだった。共に新見を追う二人。しかし棟居は強い葛藤に見舞われ続ける。ついに新見を追い詰めた時、ケンの銃弾がその胸を貫いた。新見は死んだ。帰国が近づき、仇が目の前に。

 拳銃に弾を込め仇に向け放つ。

「あの子が私の生きがいでした たった一つの」
「あの子は私の麦わら帽子だったんです」
「あの子も麦わら帽子を求めていたんです 本当の麦わら帽子を」

 麦わら帽子を求めた迷い子は絶望の中母に突き立てられたナイフをその胸に深々と突き立てた。

「誰にでもひとつ大切な麦わら帽子があります」
「でも 生きるということはその麦わら帽子を失うことかもしれません」
「失った麦わら帽子は二度と帰ってこないんです」

 朝日さす海雲に、その深い谿底に麦わら帽子は飛んでいった。帽子はもう戻らない。


 人間の証明 死だけが始まった命の証
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・公園でガイシャを見たカップルの彼女さんの方がすごく可愛い。もうもうものすごく可愛い。
 [シェリー 甘い経験]で検索🔍
・長門裕之さんや夏八木勲さんが若い若い。みんな若い。
・西条八十さんなんだっけと思ったら戦場のエンペラーに『カナリヤ』が出ていたんだった
・松田優作さんあんまりそう見えないけど二重整形してたのか
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母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね
ええ、夏、碓氷(うすい)から霧積(きりづみ)へゆくみちで、
谿底へ落したあの麥藁帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあの時ずゐぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向こうから若い薬賣が来てましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずゐぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった。
なにしろ深い谿で、それに草が背たけぐらい伸びてゐたんですもの。

母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう
そのとき傍らに咲いてゐた車百合の花は
もうとうに枯れちやったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪がつもってゐるでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S といふ頭文字を
埋めるやうに、静かに、寂しく。

(帽子 西条八十)
岡田茉莉子さんがさすがでした。
事件を追う刑事に松田優作、
三船さんも岡田さんの夫役で出てたし、息子役に岩城滉一、ジョージ・ケネディなんかも出ちゃってだいぶんの大作です。
一つの事件が過去に起こった事件、関わった人達を繋げていく。
縁と言うか、業と言うか、、
考えちゃう作品。
主題歌は冒頭に殺されちゃうジョー山中が歌ってます。有名な曲です。
想像してたのと違った。
有名なフレーズから、もっと詩的で繊細な感じかと思っていた。
岡田茉莉子のスピーチとラストシーンは美しかった。
関係のなさそうに見えた個々の事象が、時間を経て繋がっていく様が面白かった。松田優作相変わらずかっこいい。捜査する刑事とのデコボコなコンビがよかった。展開が分かりやすく、伏線も楽しめる。

戦時中に受けた痛みっていうのは長く残ってる、それほど自身の人生に影響を与えた深い傷だったのでしょう。僕は経験していないので、分かりません。
ケレン味たっぷり。昭和邦画のいい意味でねちっこい演出に酔っぱらった。
戦後とは日本人にとって本当に何だったんでしょうね。
S

Sの感想・評価

5.0
詩と映画と主題歌、俳優陣。見所が深い。悲しいけどそれが人間の証明なのか。
秀作です。

ーー誰にでも1つ大切な麦わら帽子があります。でも生きるということはその麦わら帽子を失うことかもしれません。
うーん。
腑に落ちないシーンが随所に見られる。都合良すぎない?的な。不倫した方とされた方で普通あんな協力する?てか途中消えたやん的な。
題材やトリックはおもしろいだけに残念。
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